1993 Fiscal Year Annual Research Report
耐高温酸化性と耐高温硫化性を兼ね備えたアモルファスアルミニウム合金の耐食機構
Project/Area Number |
05650698
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 英二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70231834)
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Keywords | アモルファス合金 / スパッター法 / アルミニウム合金 / 高融点金属 / 高温酸化 / 高温硫化 / 放物線則 / 拡散律速 |
Research Abstract |
耐高温硫化性と耐高温酸化性を兼ね備えた材料を見出すことを目的として,スパッター法によりアモルファスアルミニウム-高融点合金を作製し,その耐高温硫化性を10^3Paの硫黄蒸気中,耐高温酸化性を空気中で調べた。アモルファスAl-Mo合金の硫化は,放物線則に従い,その耐高温硫化性は金属モリブデンよりも高く,これまで知られている金属材料の中でも最も高いことがわかった。生成したスケールは二層からなり,外層はAl_2S_3,内層はMoS_2が主体であった。また,スケールは硫黄の内方拡散により成長することがマーカー試験により明らかになった。このアモルファスAl-Mo合金が高い耐高温硫化性を示す理由は,内層の主体であるMoS_2へのアルミニウムのドーピング効果によると考えられる。実際,モリブデンへ少量のアルミニウムを添加した場合,その添加量に応じて硫化速度が低下することからも,このことは支持された。 Al-Mo合金の高温酸化速度は,1123Kまでは,クロミアスケールを形成する合金に匹敵するが,それ以上の温度では,酸化モリブデンの蒸発のため,重量減少が起こり,耐酸化性は充分ではない。このAl-Mo合金にケイ素を添加すると,耐酸化性は1223Kまで典型的なアルミナスケールを形成する合金に匹敵するほどまで向上した。ただし,過剰のケイ素の添加は耐高温硫化性を低下させた。ケイ素の添加のより耐酸化性が向上するのは,Al-Mo二元合金の場合には,高温でAl_8Mo_3とAlMo_3が生成するのに対し,ケイ素を添加した合金ではモリブデンリッチの金属間化合物に代わって,シリコンリッチで,耐酸化性に優れたMo_5Si_3が生成することが最も大きな要因であり,これによりモリブデンの酸化が抑制されたと考えられる。Al-Nb合金は耐酸化性は低いものの,耐高温硫化性はニオブを上回ることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroki Habazaki: "High Temperature Corrosion of Some Al-Mo and Al-Mo-Si alloys" Proc.Symp.Corrosion.Electrochemistry and Catalysis of Metastable metals and Intermetallics. 224-235 (1993)
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[Publications] Hiroki Habazaki: "New Amorphous Alloys Resistant ot High Temperature Corrosion" Mater.Sci.Engng.A 印刷中.
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[Publications] Hiroki Habazaki: "Sputter-Deposited Amorphous Al-Mo-Si Alloys Resistant to High Temperature Sulfidation and Oxidation" Proc.3rd IUMRS-ICAM. (印刷中).
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[Publications] Hiroyuki Mitsui: "High Temperature Corrosion of Sputter-Deposited Al-Nb Alloys" Proc.3rd IUMRS-ICAM 印刷中.
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[Publications] Hiroki Habazaki: "On the Growth Mechanism of the Sulphide Scale on Amorphous Al-Mo Alloys" Corrosion Science. 36. 199-202 (1994)