1994 Fiscal Year Annual Research Report
ガストンネル型プラズマ溶射による傾斜機能ジルコニアコーティングの作製
Project/Area Number |
05650711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (70110773)
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Keywords | プラズマ溶射 / ガストンネル型 / ジルコニアコーティング / 高エネルギー / 傾斜機能性 / ビッカース硬度 / 摩耗性 |
Research Abstract |
本研究は、ガストンネル型プラズマ溶射を、傾斜機能ジルコニアコーティングの作製に適用し、その基本的特徴を明らかにする研究を行っている。本年度に得られた結果は、以下のとおりである。 1.前年度に引き続き、ガストンネル型プラズマジェットを用いて、ジルコニア粉末のプラズマ溶射を行い、プラズマ入力P=20〜30kW、溶射距離L20〜50mmにおいて、傾斜機能ジルコニアコーティングが得られた。 2.典型的な傾斜機能ジルコニアコーティングとして、P=26kW、L=40mmでは表面硬度Hv=1130が得られている。この場合、コーティング厚さは160μmであるが、基材近くではHv=600〜700となり通常の溶射皮膜と同様のビッカース硬度の値となる。 3.ガストンネル型プラズマ溶射法により得られたジルコニアコーティングの断面深さ方向の摩耗特性についてより詳しく調べ、このジルコニアコーティングの摩耗量の傾斜機能性を、硬度特性と関連づけて明らかにした。 4.ガストンネル型プラズマ溶射によるジルコニアコーティングの作製プロセスを検討し、溶射中のコーティング表面温度を考慮し、コンピューターを用いた数値計算による皮膜形成過程を解明し、コーティングの断面深さ方向の傾斜機能性を理論的に説明した。 以上のように、ジルコニアコーティングの傾斜機能性について、その断面組織、及び硬度、耐摩耗性から明らかにしたが、今後、より効果的な傾斜機能ジルコニアコーティングの作製について、また新しい機能性コーティングへの応用についての研究を展開する予定である。
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[Publications] 小林 明: "高エネルギープラズマ溶射による複合機能材料の作製" プラズマ溶射よる複合機能材料. 2. 61-66 (1993)
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[Publications] Akira Kobayashi: "Wear Resistance of Zirconia Coating by Gas Tunnel Type Plasma Spraying" Trans of JWRI. 22-2. 233-238 (1993)
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[Publications] 小林 明: "ガストンネル型プラズマ溶射による傾斜機能ジルコニア皮膜の作製" プラズマ溶射による複合機能材料. 3. 45-50 (1994)
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[Publications] 小林 明: "プラズマ応用と複合機能材料" 工業加熱. 31-4. 69-77 (1994)
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[Publications] 小林 明: "高エネルギープラズマ溶射による複合機能材料の作製に関する研究" プラズマ応用科学. 2. 74-82 (1994)