1993 Fiscal Year Annual Research Report
高温脱水反応による粉体表面の改質と流動層造粒への応用
Project/Area Number |
05650747
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山崎 量平 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10023277)
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Keywords | 流動層 / 粉体 / 造粒 / 高温 / 脱水反応 / 表面 / 改質 / 対数正規分布 |
Research Abstract |
石英製噴流層型流動層を用いて、粒子付着力の測定および造粒実験を行った結果を以下に示す。 1.粒子付着力の測定結果:平均粒径がほぼ100μmで、SiO_2の純度が異なる硅砂(シリカ粒子)を用いて900℃までの温度範囲で窒素気流中で流動化させ、流動化開始時の空隙率の測定を行ったところ、いずれの粒子の場合も流動化開始時の空隙率が温度と共に増大し、粒子付着力が温度と共に増大することが分かった。また、空隙率の粒子による差異が著しく、SiO_2の純度が高いほど、粒子付着力が大きいことが明らかになった。 2.造粒実験の結果:(1)シリカ粒子を用いた場合の結果:平均粒径10μmのシリカ粒子(SiO_2:88.6%、Al_2O_3:4.7%、Fe_2O_3:0.23%)を900℃の温度で、窒素気流中(流速:100cm/s)で流動化させたところ、平均粒径が200μmで比較的、粒度分布の狭い顆粒が得られた。ただし、この顆粒は弱い衝撃に対しても容易に破壊するので強度上問題があり、より粒径の小さい原料粒子を用いる必要があることが分かった。 (2)アルミナ粒子を用いた場合の結果:平均粒径が1μmから50μmまでの各種粒径の原料粒子が容易に入手できるアルミナ粉を用いて、常温の窒素気流中で造粒実験を行った。その結果、(1)粒径が4μm以上の場合には、保形成を有する顆粒は得られない、(2)粒径が1μmの場合、低ガス流速域(流速:100cm/s)では、平均粒径が150μm程度の球状の顆粒が得られ、高ガス流速域(流速:400cm/s以上)で100μmの顆粒が得られる、(3)顆粒の粒度分布はいずれの条件下でも対数正規分布に従い、その幾何標準偏差は1.3〜1.5で、比較的、分布はシャープである、(4)顆粒のSEM観察より、ガス流速の増大と共に顆粒の緻密化が進行し、顆粒強度が増大する、という重要な結果が得られた。尚、これらの結果は現在、化学工学会秋季大会に発表する予定でいる。
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