1993 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギー型内部熱交換蒸留システムの設計・操作に関する研究
Project/Area Number |
05650749
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中西 英二 神戸大学, 工学部, 教授 (90031070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安岡 弘陽 神戸大学, 工学部, 講師 (30031107)
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Keywords | 蒸留塔 / 省エネルギー型 / 内部熱交換型 |
Research Abstract |
本研究では、蒸留塔の熱効率を向上させるために、分離すべき溶液自身を作動媒体とし、蒸留塔全体がヒートポンプとして機能することにより原理的に高い省エネルギー化が達成されると考えられるSRV(Secondary Reflux and Vaporization、以下SRVと略する)法を利用し、ベンゼン/トルエン、ベンゼン/オクタン、ベンゼン/アセトンとメタノール/エタノールおのおの2成分からなる原料の蒸留分離問題をシミュレーションにより検討し、従来の蒸留塔のエネルギー消費量と比較することによりSRV塔の省エネルギー性を検証し、その結果以下の結論を得た。 (1)低級炭化水素からなる共沸点のない2成分混合原料に対して、原料物質沸点差が小さければ小さいほど必要な投入負荷が少なくなる。 (2)原料沸点差が小さければ、SRV塔と従来塔とも所要段数が多くなり、前者は後者よりも所要段数が顕著に多くなる。 (3)リボイラー負荷と圧縮機の圧縮負荷を少なくするためには、外部還流比と最大内部還流比をできるだけ小さい値に設定すればよい。 (4)濃縮部の操作圧が低くなれば、投入負荷が少なくなるが総合係数は大幅に増える。すなわち、設備投資が高くなる。 (5)以上の結果より、SRV塔を設計する場合には建設コスト等をも考慮に入れた総合的な判断が必要となる。 典型的なエネルギー多消費型単位操作である蒸留塔の省エネルギー化が実用のものとなれば、化学工業全体としての省エネルギー化が促進され、省エネルギーの有効性が非常に高いSRV蒸留塔は今後実用化に向けて一層活発な研究が期待される。
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Research Products
(2 results)