1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650768
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
片岡 健 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00081357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西機 忠昭 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (70081362)
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Keywords | 逆ミセル / 抽出操作 / タンパク質 / エアロゾルOT / リゾチーム / 逆抽出速度 / アルコール / 液液平面接触撹拌セル |
Research Abstract |
逆ミセル抽出法によるタンパク質の分離・濃縮操作においては、原料水相から逆ミセル相へ抽出されたタンパク質を別の水相へ逆抽出(回収)しなければならない。AOT-イソオクタン逆ミセル相からのリゾチームの逆抽出速度は、正抽出に比べて非常に遅いことがわかっている。本研究では、この逆抽出速度を速める手法について検討を行い、以下の知見を得た。 1.液液平面接触撹拌セルを用い、リゾチームを1mg/cm^3の濃度で可溶化させたAOT-イソオクタン逆ミセル相から1kmol/m^3KCI水溶液(pH=11.5)への逆抽出速度を15℃から40℃で測定した。逆ミセル相から水相へのリゾチームの移動速度は、二相界面でのリゾチームの脱離に伴う抵抗によって支配され、この脱離速度は温度の上昇と共に増大し、40℃では25℃の1.7倍に加速されることがわかった。 2.回収水相にアルコール類(エタノール、イソプロパノール、2-メチル-2-プロパノール)を0〜10VO1%の範囲で添加し、リゾチームの逆抽出速度を測定した。いずれのアルコールにおいても、脱離速度はアルコール添加量の増大と共に加速されたが、2-メチル-2-プロパノールが最も有効であり、10VO1%においては無添加の14倍となり、正抽出における界面での可溶化速度にほぼ匹敵するまで加速されることが判明した。 今後は、タンパク質の速やかな回収ならびに逆ミセル抽出法による分離プロセス全体の立場に基づき、タンパク質の回収に有効な液液二相接触方式に関する装置工学上の観点からの検討が必要であろう。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tadaaki Nishiki: "Mass Transfer Characterzation in the Reversed Micellar Extraction of Protein" Solvent Extraction in the Process Industries. 840-847 (1993)
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[Publications] 西機忠昭: "逆相ミセル抽出操作におけるタンパク質の逆抽出" ケミカル・エンジニヤリング. 38. 834-838 (1993)