1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650812
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森下 富士夫 京都大学, 工学部, 助教授 (30026281)
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Keywords | 超臨界流体クロマトグラフィー / 超臨界流体抽出 / 保持ベクトル / 保持特性 / 保持指標 / 二酸化炭素 / 一酸化二窒素 |
Research Abstract |
購入した気圧増幅型ポンプを中心に超臨界流体クロマトグラフ(SFC)兼抽出装置(SFE)を組み立てた。SFCにおいては、分子量、臨界パラメーターの酷似した二酸化炭素と一酸化二窒素をキャリヤー流体に選び、log k'対T^<-1>のプロットから決めた三つの領域を代表する三つの温度で、六標準化合物の保持指標を測定した。保持指標から標準化合物と同じ炭素数のn-アルカン保持指標を差し引いて、δIを定義した。δIを要素とするベクトルで保持特性を表現し、流体の種類や固定相のタイプの違いによる特性のちがいをベクトル間の角度で表した。どの温度領域でも、同じ密度での、すなわち、分子間距離が同じときの比較では、CO_2よりN_2Oのほうが溶解力が大きいが、極性効果ではCO_2のほうがN_2Oより大きいことが分かった。また、種々の極性効果の相対的な大きさを意味する分離の選択性の点では両者に大きな違いはなかった。一方、GCとSFCの分離の選択性はかなり大きい。SFCとLCの条件での保持特性の比較を、順相系で行った。GCとSFCの間の違いほど大きい選択性の差は観測されなかった。 上述のSFE装置とスプリットレス試料導入装置を備えたGCを直結し、オンラインSFE-GCを組み立てた。抽出管とリストリクターで決まるSFEの輸送特性と溶質、マトリックス、超臨界流体によって決まる抽出特性のコンボリューションとして、溶質の溶出曲線を評価する方法を考案し、溶出時間など溶出条件を最適化する方法を検討した。これは実試料への適用において特に重要となる。また、上記のSFCの保持特性のSFEへの適用を検討した。幾つかのタイプの溶質化合物を選び、抽出時のコソルベント効果を調べた。
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