1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650814
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
田中 誠之 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (30010755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健二 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (70183382)
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Keywords | FT-IR / 赤外光音響分光法 / FTIE-PAS / 高分子 / 繊維 |
Research Abstract |
各種有機材料のキャラクタリゼーションを行なう上で赤外分光法の中の特殊測定法の一つである光音響分光法は、試料自体の形状や硬さなどにとらわれず表面分析することが可能である。本研究では通常の赤外光音響(PAS)測定に加え、微小試料用(ミクロ)赤外光音響分光装置による有機材料のキヤラクタリゼーションに対する応用研究を展開した。測定試料は、繊維に対象をしぼった。まず衣類の汚れの解析への応用として、履歴の異なる2つの人工汚染布の加工前と加工後についてPAS測定を行なったところ、一方では1740cm^<-1>に油性成分によるC=O吸収、そして1650及び1540cm^<-1>にタンパク質によるCO-NH吸収が確認され、他方では1740cm^<-1>付近に硬化牛脂に基づくC=O吸収が検出された。このことから本法は衣類の汚れ及び洗浄過程に関する知見を得る有力な手法になると考えられる。また繊維加工処方前後の布について比較検討したところ、加工処理法の識別が本法により可能となった。本研究を遂行するにあたり、使用したフーリエ変換赤外分光(FT-IR)装置は、移動鏡のスキャンスピードが固定されているが、今後スキャンスピードを変化させることができるFT-IR装置を使用すれば、微小試料の深さ方向へのインフォメーションについても得ることができ、有機材料分析への応用性がさらに高まると考えられる。これらの効果を12月オーストラリアにおいて行なわれた、第3回Pacific Polymer Conferenceにて発表した。
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Research Products
(1 results)