1993 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波大気圧ヘリウムプラズマの生成とその極微量元素質量分析への応用
Project/Area Number |
05650817
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
岡本 幸雄 東洋大学, 工学部, 教授 (90233387)
|
Keywords | マイクロ波大気圧ヘリウムプラズマ / Okamoto(岡本)キャビティ / マイクロ波誘導プラズマ質量分析法 / 極微量元素分析法 / 高周波誘導結合プラズマ |
Research Abstract |
本研究者が先に研究開発したマイクロ波誘導窒素プラズマ用の Okamoto Cavity をベースに、マイクロ波電力(2.45GHz,≦1.5kW)を用いて、大気中でヘリウム(He)プラズマを安定に定常的に生成することに、世界で初めて成功した。 すなわち、扁平導波管(6mm×109.2mm)の中心部に円錐状の内導体と円筒状の外導体を同心状に設け、内導体の先端と外導体の先端部に設けたフロントプレートとの間(ギャップ:3-10mm)に表面波を励起させ、電界強度の径方向分布が中心軸上で周辺部より弱いV字型にした。放電管は同心状の外管と内管とで構成し、中心軸上に設置した。外管にはプラズマ生成のためのプラズマガス(He)を接線方向から15l/min以上、内管には試料を導入するためのキャリアガス(He)を導入した。このように構成することにより、分析に適したドウナツ状のプラズマを、安定に生成できるようになった。 このようにして生成したHeプラズマを評価するために、分光器を用いて、発光スペクトルを空間的に調べた。その結果、発光強度はフロントプレート前方10mmのところでHe I(587.6nm,23.0eV)が最も強く、次いでHe I(388.9nm,23.0eV)、He I(667.8nm,23.1eV)の順となり、OH(306.4nm,4.1eV)はじめOI(777.6nm,10.7eV)てども微弱ながら存在することが明らかになった。また、ガス試料として窒素(イオン化電圧15.5eV)を極微量導入したとき、NI(746.8nm)などが検出でき、従来のアルゴンプラズマに比べ、イオン化電圧の高い元素の分析が可能であることが明らかになってきた。 次年度は、このHeプラズマに溶液やガス試料を導入し、その中に含まれている極微量の元素を、質量分析的に評価する予定である。
|
Research Products
(1 results)