1993 Fiscal Year Annual Research Report
高アンモニウムイオン選択性イオノフォア,ピラゾール クラウンエーテルの開発と応用
Project/Area Number |
05650818
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
庄野 利之 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30083976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 康彦 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (00103002)
矢ケ部 憲児 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80079558)
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Keywords | アンモニウムイオンセンサ / アンモニウムイオン選択性電極 / 選択係数 / PVO膜電極 / ニュートラルキャリア / ピラゾール環 / クラウンエーテル / 水素結合 |
Research Abstract |
ピラゾール環を環構成成分とするクラウン誘導体(A)〜(H)(図1参照)を合成し、各誘導体の1つを含むNH_4^+イオン選択性高分子膜電極を開発した。電極膜の調製は、PVC、クラウン誘導体、膜溶媒(DOS,NPOE,あるいはDBE)および親油性添加塩を用いてキャスト法により行った。各電極のNH_4^+イオン選択性は単独溶液法によって求め、妨害イオン(アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、水素イオン等)に対するNH_4^+の選択係数で評価し、従来のノナクチンを用いた電極の性能と比較検討した。クラウン誘導体(A)〜(H)とNH_4^+イオンとの錯形成は、6位、12位の酸素および20位の窒素との水素結合に由来する。このためNH_4^+イオン選択性は膜溶媒の極性に大きく影響され、極性が低い膜溶媒、特にDBEを用いた場合に選択性が向上することを見い出した。表1に開発した電極の代表的な結果として、DBEを膜溶媒に用いたPVC膜電極の場合のK^+イオンおよびNa^+イオンに対するNH_4^+イオンの選択係数を示す。当初、置換基Rに電子供与性のメチル基を導入した誘導体(B),(F),(H)あるいは嵩高いベンジル基ならびにオクチル基を導入した誘導体(C),(D)が、NH_4^+イオン選択性に優れると期待されたが、むしろ未置換の誘導体(A),(E)が相当する類縁体に比べNH_4^+イオン選択性に優れることを認めた。なお誘導体(A)および(B)を用いたPVC膜電極のK^+イオンに対するNH_4^+イオンの選択係数(log〓)は各々-1.20,-1.14であり従来のノナクチンをニュートラルキャリアとする電極のそれ(log〓=-0.92)より優れており、これら誘導体は実用面でも十分に耐える性能を有すると判断される。
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