1993 Fiscal Year Annual Research Report
化学センサによる各種エイズウィルス構成タンパクの同時検出に関する研究
Project/Area Number |
05650831
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Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
宇田 泰三 広島県立大学, 生物資源学部, 助教授 (20232837)
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Keywords | 化学センサ / エイズウィルス / エイズ |
Research Abstract |
エイズウィルス膜タンパクgp41の保存領域RGPDRPEGIEEEGGERDRD及びp24を抗原に、また、それらに対するに対するモノクローナル抗体41S-2及びNU-24を適当ににEFT電極上に固定して実験を行った。その結果、gp41抗原を固定化した場合、抗体濃度0-20mg/mlで電位変化0-1.0mVを得た。同様の結果がエイズ構成タンパクp24においても観察された。抗体の検出感度0-20mg/mlは実際の血清中の抗体測定が可能な感度であるが問題点が1つ生じた。それは抗原または抗体をFET電極上に固定して1mg/ml付近の濃度測定を厳密に行おうとすると信号がノイズに隠れてしまう点である。つまり、S/N比が悪くこれ以上の感度向上が難しい。そこでセンサーに新しい思想を持ち込むために41S-2抗体の抗原決定基の解析をエピトープマッピングにより行った。その結果、41S-2はgp41保存領域の中央部分であるGIEEEを非常に強く認識し、EGIEEを3番目に強く認識していた。そこで、EGIEEを化学合成しgp41抗原に代わる模擬抗原として用いる事により、これまでにないイムノアフィティーセンサーを構築した。つまりEGIEEをカタラーゼ標識し、あらかじめイムノメンブレン上に固定化した41S-2と結合させた。つぎにgp41をこの系に流すことにより模擬抗原を脱離させgp41の定量を行った。トランスジューサーには酸素電極を用いた。このセンサで、1mug/mlのgp41が検出可能であり、また、10ng/mlの抗gp41抗体の検出が可能となった。またこのセンサーではFET電極で見られた大きなノイズは生じなかった。本センサーは斬新な思想に基づく全て新しいものであり、本年7月ローマで開催される「第 5回化学センサー国際会議」で招待講演する予定になっている。
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