1994 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー密度リチウム二次電池用正極活物質の合成とその電池特性
Project/Area Number |
05650834
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 祐一 神奈川大学, 工学部, 教授 (20201535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小早川 紘一 神奈川大学, 工学部, 助手 (40078332)
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Keywords | リチウム二次電池 / 正極活物質 / 五酸化バナジウム / 酸化ニッケル / 化学拡散係数 / オゾン酸化合成 / 電解合成 |
Research Abstract |
リチウム二次電池用正極活物質としての種々のV_2O_5、すなわち結晶性V_2O_5(c-V_2O_5)、非晶質V_2O_5-P_2O_5(a-V_2O_5-P_2O_5)、電解合成V_2O_5(e-V_2O_5)、オゾン酸化合成V_2O_5(O_3-V_2O_5)について、放電時に起こるV_2O_5へのLi^-の化学拡散係数(D)を、定電流断続滴定法(GIT法)と交流法によってもとめたところ、両法での値はほとんど一致した。c-V_2O_5のD値は放電の進行に伴い変化し、交流法によって求められた文献のそれと挙動が良く一致した。また、in situ XRD法によって昨年度測定した放電に伴うV_2O_5の構造変化とD値の変化は良く対応した。a-V_2O_5のDについては、Li_xV_2O_5におけるxが変化しても、D値にはほとんど変化が無く、従来からいわれているように、構造安定性を裏付けた。これらにたいして、e-V_2O_5、O_3-V_2O_5のD値はほぼ等しく、かつ前二者の中間的な変化挙動を示した。すなわち、反応の進行に伴うD値の変化はc-V_2O_5の場合ほど激しくなく、V_2O_5の構造変化が起こりにくいことを示唆しており、充放電サイクル特性に優れていることを支持した。また、その大きさは10^<-8>cm^2s^<-1>程度で、a-V_2O_5-P_2O_5のD値より1桁以上大きく、より大電流特性に優れていると考えられる。4V-2Vの範囲での放電容量は2サイクル目でO_3-V_2O_5:268mAh/g、e-V_2O_5:266mAh/g、c-V_2O_5:171mAh/g、a-V_2O_5-P_2O_5:126mAh/gであった。 リチウムイオン電池の正極活物質として使用中のLiCoO_2に替わるより安価な活物質として期待されているLiNiO_2のより高容量化、サイクル特性向上をめざして、これにわずかにFe、Mg、Inを添加したLiFe_xNi_<1-x>O_2、LiMg_xNi_<1-x>O_2、LiIn_xNi_<1-x>O_2を合成した。Feはコストダウンを、MgはLiCoO_2の場合に見られたような導電性の向上を、InはLiNiO_2の構造安定性を期待し、サイクル特性向上と容量アップを目的としたものである。前二者では容量低下が見られ期待に反したがInの場合、LiIn_<0.005>Ni_<0.995>O_2でLiNiO_2の164mAh/gより若干向上し、168mAh/gを示した。また、容量維持率も無添加の場合より向上した。
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Research Products
(1 results)