1993 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル活性化を利用した炭化物および窒化物の空気中における合成
Project/Area Number |
05650836
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土田 猛 北海道大学, 工学部, 助手 (40041959)
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Keywords | メカノケミカル活性化 / 燃焼合成 / 炭化アルミニウム / 窒化アルミニウム / アルミニウム-炭素混合粉 |
Research Abstract |
機能性材料としての炭化物、窒化物は、一般に1000℃以上の高温において金属の直接炭化、窒化反応によって合成されており、雰囲気の制御が重要な因子である。このような従来の合成技術に対して、筆者は種々の金属粉と炭素粉末をボールミル中、室温しかも空気中で短時間粉砕することによってメカノケミカル活性化し、その後空気中に曝すことによって直ちに自然着火し、反応が連鎖的に伝播して炭化アルミニウム(Al_4C_3)や窒化アルミニウム(AlN)が合成できる、メカニカル活性化誘導式の新しい画期的な燃焼合成法を発見した。そこで、本研究ではこの合成技術を確立すべく、まず粉砕条件の最適化、合成メカニズムの解明、生成物のキャラクタリゼーションなどを検討した。 まず、モル比Al/C=5.75/1.25のAl-C混合粉を、遊星型ボールミル中で75分間粉砕した。粉砕によって活性化された混合粉を空気中にさらすと、直ちに2段階で発熱反応(燃焼反応)が進行した。1段階目では、混合粉の数箇所で自然着火し、赤熱を放出しながら反応が周囲に伝播し、Al_4C_3が生成した。次いでこの発熱を利用して2段階目の反応が白熱を放出しながら激しく起こり、主として窒化アルミニウムが少量のAl_4C_3、Al_2OC、α-Al_2O_3とともに生成した。生成した窒化アルミニウムは、格子定数の精密測定やXPS分析の結果から、(Al_2OC)_<1-X>(AlN)_X(x=0.8)の組成を持つ固溶体であると推定された。窒化アルミニウム生成におよぼすAl/C混合比、粉砕時間、粉砕活性化後にさらす雰囲気の影響などについて検討した。今後さらに、省エネルギー型の本手法を用いた新しい複合材料の合成をめざして、Siなどを加えた多成分系へと応用、発展させる予定である。
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Research Products
(1 results)