1994 Fiscal Year Annual Research Report
有機フッ素分子構築用ユニットとしての含フッ素ビナミディニウム塩の創製と合成的応用
Project/Area Number |
05650855
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 寛城 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (40027909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 孝 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40093182)
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Keywords | 含フッ素ビナミディニウム塩 / 含フッ素アンモニウム塩 / 1,5-ジアザペンタジエニウム塩 / 含フッ素複素環化合物 / 5-フルオロピリミジン / 4-フルオロピラゾール / 含フッ素ジエナミノン |
Research Abstract |
反応の多様性、特に二重結合を含む3個の炭素を一挙に他の有機分子に導入が可能であるビナミディニウム(1,5-ジアザペンタジエニウム)塩に着目し、フッ素修飾したビナミディニウム塩の創製及びその有機フッ素分子構築用ユニットとしての有用性について検討した。 1.含フッ素ビナミディニウム塩の創製 申請者らがこれまでに開発した方法により窒素上に種々の置換基を有するβ-フルオロビナミディニウム塩(1)を調製した。また、N-(2,3,3,4,4,5,5,-ヘプタフルオロ-1-ペンテニル)トリメチルアンモニウム=ヨ-ジドとジエチルアミンとの新規反応によるα-(1,1,2,2-テトラフルオロエチル)-β-フルオロビナミディニウム塩(2)の調製を試みた。 2.含フッ素ビナミディニウム塩の合成素子としての有用性の評価 (1)β-フルオロビナミディニウム塩(1)と二官能性窒素求核剤(アミジン、ヒドラジン類)との反応を種々の条件下で検討し、それぞれ相当するモノフルオロ化した複素環化合物(5-フルオロピリミジン、4-フルオロピラゾール)を簡便に良好な収率で得た。(2)1とエノラート類との反応により多官能基化された含フッ素ジエミノン誘導体を得ることにも成功した。(3)2の単離には成功しなかったが、反応中間体として存在していることが確認できたので、塩基条件下、水を作用させたところ含フッ素α,β-不飽和アルデヒド及びケトンが得られた。また、メチルヒドラジンとの反応により対応する含フッ素ピラゾールを得た。 以上のように本研究において、含フッ素ビナミディニウム塩は含フッ素のC3ユニットを有機分子に直接導入する合成ブロックとして非常に有用であることを明かにした。また、生理活性が期待される含フッ素複素環化合物をはじめとする有用な有機フッ素分子の簡便な合成手法を開発することができた。
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Research Products
(1 results)