1993 Fiscal Year Annual Research Report
カルボニル化による触媒的ケテン発生法の開発と有用化合物合成への展開
Project/Area Number |
05650859
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
奥本 寛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90183251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀雄 岡山大学, 工学部, 助教授 (60032950)
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Keywords | パラジウム触媒 / 付加環化反応 / 立体選択的反応 / アリルホスフェート / カルボニル化 / イミン / ベータラクタム / ケテン |
Research Abstract |
パラジウム触媒を用いるカルボニル化で、ケテンもしくはその等価体を発生させることを検討し、あわせてβ-ラクタム類の新規合成法の開発を行った。即ち、イミン存在下一酸化炭素30気圧でパラジウム触媒を用い、種々のアリルアルコール誘導体のカルボニル化を行ったところ、アリルホスフェートのカルボニル化において、3-ビニル-β-ラクタムが高収率で得られることを見いだした。種々のイミン類を用いて本反応を検討したところ、イミンの構造によってβ-ラクタム環のシス、トランスの立体化学が、極めて高選択的に制御できることが判明した。例えばケトイミンとの反応では、シス体が生成し、他の非共役系イミンはトランス体を与えた。本法は、室温付近の温和な条件で一挙にかつ立体選択的に3-ビニル-β-ラクタム類を製取でき、また得られた3-ビニル-β-ラクタム類は容易にそのビニル基を種々の官能基に変換できるため汎用性に富む方法と言える。本反応では、中間に生じるアシルパラジウム種がケテン等価体として作用していると思われるが、生成物の立体選択性は、従来法によるβ-ラクタム合成のそれとは大きく異なっており、反応機構的にも興味深い。ケテンは、重要な反応種であるにもかかわらず、その発生法は古典的な方法によらねばならず、いくつかの制限がある。本法は、出発物質が上記アリルアルコール類だけに限定されるものではなく、また活性化カルボン酸誘導体を用いないため、その活用範囲は極めて広い。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Torii: "Carbonylative[2+2]Cycloaddition for the Construction of β-Lactam Skeleton with Palladium Catalyst" TETRAHEDRON LETT.34. 6553-6556 (1993)
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[Publications] S.Torii: "Palladium-Catalyzed Sequential Bond Formation Leading to Conjugated Ene-Yne System" TETRAHEDRON LETT.34. 2139-2142 (1993)
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[Publications] S.Torii: "A Facile Conversion of 2-Substituted Acrylamides to 1,3-Disubstituted 3-Bromo-2-Azetidinones" SYNTH.COMMUN.23. 517-523 (1993)
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[Publications] S.Torii: "Syntheses of Chromones and Quinolines via Pd-Catalyzed Carbonylation of ο-Iodophenols and Anilines in the Presence of Acetylenes" TETRAHEDRON. 49. 6773-6784 (1993)
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[Publications] H.Tanaka: "2-Substituted Penems,New Candidates for Cephalosporinase Inhibitors" Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 3. 2253-2254 (1993)
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[Publications] H.Tanaka: "Mg/PbBr_2 Bimetal Redox-Promoted Stannation of Propargyl,Allyl,Vinyl,and Aryl Halides" Synlett. 835-836 (1993)