1994 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性シラシクロペンタン類の合成と不斉合成への応用に関する研究
Project/Area Number |
05650886
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 幸徳 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (30089370)
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Keywords | シラシクロペンタン / シラシクロペンテン / 光学活性 / ラセミ体 / ジアステレオマ- / 光学分割 / シリルエノールエーテル / アルドール型反応 |
Research Abstract |
2,5-ジフェニルシラシクロペント-3-エンのトランス体を単離する目的で、シラシクロペンテンのジアルコキシ誘導体をLDAを用いリチオ化後臭化アルキルによりシス体だけを優先的にアルキル置換反応する条件を検討した。その結果、2-位アルキル置換シラシクロペンテンとアルキル置換されないシラシクロペンテンのトランス体が得られ、両者はシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離され、置換するアルキル基としてイソブチル基やs-ブチル基の時トランス体が最も収率良く得られることを見いだした。 つぎに単離したラセミ体をジアステレオマ-に変えて光学分割するため、1,1-ジエトキシ-2,5-ジフェニルシラシクロペント-3-エンと1ーメントールや1-ボルネオールなどの光学活性アルコールとのアルコキシ交換反応を検討し、ラセミ体より相当するジアステレオマ-が得られ、ラセミ体光学分割の見通しが得られた。 また2,5-ジブロモヘキサンのグリニヤール試薬とメチルジクロロシランの反応を検討し、相当する1,2,5-トリメチルシラシクロペンタンを合成した。この反応でジブロモヘキサンのラセミ体からはシラシクロペンタンを生成するかメソ体からは生成しないことがわかつた。 さらにアルドール型反応検討のため、1-メチル-1-クロロ-2,5-ジフェニルシラシクロペンテンとシクロヘキサノンとの反応により相当するシリルエノールエーテルを合成し、このシリルエノールエーテルの四塩化チタン触媒下ベンズアルデヒドとの反応も検討している。
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