1994 Fiscal Year Annual Research Report
α,β-不飽和アルデヒドヒドラゾンのアルキル化による第4級炭素の立体選択的合成
Project/Area Number |
05650887
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Research Institution | Doshisha University, Faculty of Engineering |
Principal Investigator |
山下 正和 同志社大学, 工学部, 教授 (20113102)
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Keywords | 第4級不斉炭素原子 / ヒドラゾン / 不斉合成 / アルキル化 / アルデヒド / ニトリル |
Research Abstract |
本年度は、α,β-不飽和アルデヒド=ヒドラゾン類およびイミン類のエナンチオ選択的、位置選択的アルキル化反応によるα-アルキル-β,γ-不飽和カルボニル化合物の合成研究を行った。 まずはじめに、2-メチル-2-ブテナ-ル=シクロヘキシルイミンを塩基で脱プロトン化、アルキル化し、さらに加水分解を行うことにより、α位に四級炭素を持つ2-アルキル-2-メチル-3-ブテナ-ルが得られることを見いだした。この反応では、位置選択的にα位でアルキル化が進行し、α,β位の二重結合がβ,γ位に転位している。さらに、2-アルキル-2-メチル-3-ブテナ-ル=ジメチルヒドラゾンのアルキル化を行い、さらに塩化第二銅を反応させるとアルデヒドが得られるだけでなく、モノパーオキシフタル酸マグネシウムを反応させることにより、α位に四級炭素を持つニトリルが好収率、高選択的に得られることを見いだしている。 これらの反応を応用して,キラルなヒドラゾンとして2-メチル-2-ブテナ-ル=(S)-1-アミノ-2-(メトキシメチル)ピロリジン(SAMP)ヒドラゾンを用いることにより、α位に四級炭素をもつ光学活性なニトリルを高エナンチオ選択的に合成した。絶対配置については、立体配置が既知の2-シアノ-2-メチル-3-フェニルプロピオン酸メチルに誘導することにより、(R)-体であることがわかった、これらの結果をもとに不斉誘導機構についても考察した。 また、不斉源をもつアミンより合成したキラルなイミンを用いると、光学活性なアルデヒドがエナンチオ選択的に得られることも見いだし、反応の考察を行った。 なお、これらの結果について1994年度日本化学会春季および秋季年会にて発表した。
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