1994 Fiscal Year Annual Research Report
大環状ポリアミン系配位子を有するキレート樹脂の開発と応用に関する研究
Project/Area Number |
05650902
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
城 昭典 熊本大学, 工学部, 教授 (40038047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 輝美 熊本大学, 工学部, 助手 (70189653)
江川 博明 熊本工業大学, 教授 (50040358)
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Keywords | 大環状ポリアミン / キレート樹脂 / 比表面積 / 分離 / 橋かけ高分子 / カラム / 吸着 |
Research Abstract |
橋かけ剤としてエチレンジメタクリラート(1G),テトラエチレングリコールジメタクリラート(4G)またはノナエチレングリコールジメタクリラート(9G),希釈剤として酢酸イソブチル(IBA)を用いて合成したグリシジルメタクリラート(GMA)の球状橋かけ前駆体(1G-GMA,4G-GMAおよび9G-GMAの各共重合体をそれぞれRG1,RG4およびRG9と略)と1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-5,7-ジオンを反応させ目的のキレート樹脂(RG1,RG4およびRG9より得た樹脂を,それぞれRG1D,RG4DおよびRG9Dと略)を合成し、これらの金属イオン吸着特性を詳細に評価するとともに、応用法開発を行い、以下の成果を得た。 1.いずれの橋かけ剤を用いた場合においても、希釈剤量100vol%以下で合成した樹脂のCu(II)吸着量は低いが、希釈剤を120-140vol%以上用いて合成した樹脂では、Cu(II)吸着量が著しく増大した。 2.RG4DとRG9Dでは、橋かけ度増加に伴うCu(II)吸着量の顕著な低下は認められないが、RG1Dでは橋かけ度の増加に伴いCu(II)吸着量が大幅に低下した。 3.橋かけ剤を10mol%、希釈剤を140%を用いて合成したRG4D(10)-140とRG9D(10)-140が、特に優れたCu(II)吸着特性(大きな吸着容量と高選択性)を示した。 4.RG4D(10)-140とRG9D(10)-140は、カラム法においてもCu(II)に高選択的吸着性を示した。特に、RG9D(10)-140は、Cu(II)について大きい漏出容量を示し、Cu(II)の高選択的な分離、濃縮に有用である。 5.4Gを2.5mol%用い、IBAを140vol%用いて合成したRG4D(2.5)-140にCo(III)を担持する手法を開発した。このCo(III)担持樹脂は、従来の陰イオン交換樹脂とかなり異なる陰イオン撰択性を示した。
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[Publications] 城昭典: "Structures and Properties of Cobalt(III) Complexes of Ligand Having 1,4,8,11-Tetrazacyclotetradecane-5,7-dione Moiety" Analytical Sciences. 11. 51-57 (1995)