1993 Fiscal Year Annual Research Report
極超音速飛行体の衝撃波干渉空力加熱に及ぼす高温化学反応の影響に関する研究
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05650937
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 茂 九州大学, 工学部, 助教授 (40150495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 尚 九州大学, 工学部, 助手 (60243911)
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Keywords | 空力加熱 / 高温効果 / 衝撃波 / スペースプレーン |
Research Abstract |
近年有翼飛翔体やスペースプレーンの開発が盛んになっているが、その開発においては、超音速流及び極超音速流における衝撃波を伴う種々の流れにおける諸問題を解決する必要がある。特に、高速で飛行する物体に衝撃波が入射した場合、物体表面に高い圧力上昇と空力加熱が生じることが知られており、さらにこの衝撃波が物体に非定常に入射する際にも、非定常な圧力上昇と非定常空力加熱が生じることが著者らの研究においても明らかになってきている。 本年度はこのような研究の背景をふまえて衝撃波が斜面に入射して高い空力加熱を引き起こす現象において、高温効果を調べた。具体的には、高温効果として気体分子のエネルギモードとして並進・回転に加えて、振動モードを考慮し、並進・回転モードと振動モード間でのエネルギ交換がどのように起こるかを調べた。計算は、Thin-Layer Navier-Stokes方程式を用いて様々な計算条件の元で数値流体力学的に解いた。その結果、この衝撃波誘起非定常空力加熱現象が高温気体中で生じた場合に、振動エネルギ(振動平衡)を考慮した場合とそれを考慮しなかった場合について計算を行ったところ、以下のような知見を得た。 1)振動エネルギを考慮したものと考慮しないものとを比べると、衝撃波のパターン、表面圧力分布、表面熱流束分布に大きな違いがあることが分かった。 2)振動エネルギを考慮しないと壁面での熱流束が過小評価されることが明らかとなり、両者の顕著な違いが明かとなり、衝撃波反射過程における非定常空力加熱現象におよぼす高温効果を明らかにした。 なお、本研究の成果は国内の学術講演会や国際学会等で発表した。
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[Publications] A.ASO,K.Ohyama,T.Fujiwara and M.HAYASHI: "Numerical Simulations of Unsteady Aerodynamic Heating Phenomena due to Shock Wave Reflections with Vibrational Equilibrium" The Meoirs of the Faculty of Engineering,Kyushu University. 53. 47-56 (1993)
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[Publications] 麻生 茂、大山健一、藤原俊隆、林 正徳: "振動平衡を考慮した衝撃波反射における非定常空力加熱現象の数値計算" 九州大学工学集報. 66. 305-311 (1993)
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[Publications] S.Aso,K.Ohyama,T.Fujiwara and M.Hayashi: "Numerical Simulations of High Temperature Effects on Unsteady Aerodynamic Heating Phenomena Due to Shock Wave Reflection" Proceeding of 5th International Symposium on Computational Fluid Dynamics,held at Sendai,Japan,on August 31-September 3,1993,. I. 33-37 (1993)
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[Publications] S.ASO,K.OHYAMA,T.Fujiwara and M.HAYASHI: "Effects of Vibrational Equilibrium on Unsteady Aerodynamic Heating due to Shock Wave Reflection" Proceedings of International Sessions of the 31st Aircraft Symposium,held at Tokyo,Japan. 564-567 (1993)
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[Publications] 麻生 茂、大山健一、藤原俊隆: "振動平衡を考慮した衝撃波反射過程における非定常空力加熱現象の数値計算" 第11回航空機計算空気力学シンポジウム論文集. (発表予定).