1993 Fiscal Year Annual Research Report
単色化にしたCf核分裂片によるIC.ソフトエラーの測定
Project/Area Number |
05650939
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
高見 保清 立教大学, 原子力研究所, 教授 (40062559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 文夫 立教大学, 原子力研究所, 教授 (20062606)
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Keywords | IC / ソフト・エラー / Cf核分裂片 / 単色化 / 同時測定 |
Research Abstract |
ICソフト・エラーの発生はそれを構成している基本単位回路の能動域の形状寸法、記憶保持の臨界静電量および入射荷電粒子の(dE/dX)値によって基本的に定まる。Cf核分裂片は幅広い質量分布(A=90-160)を持ち、そのZ値も30から70と大きな広がりを示す。従来、これはCf核分裂片をICソフト・エラー試験用の重イオン源に利用する場合の欠点として捉え、その平均的(dE/dX)を40MeV/mg/cm^2として実験的に利用するにとどまっていた。 本年度の研究で0.1mum厚のNi膜(89mug/cm^2)上に約0.1muC_1の液状Cf線源を摘下乾燥して保持し、Cf-252の自発性核分裂によって生ずる2核分裂片のエネルギー同時測定を行うことが可能となった。これにより一方の核分裂片のエネルギーE_1をSi半導体検出器で測定すれば運動量保存則から簡単な演算により、反対方向に飛びICに入射する他方の核分裂片のM_2,E_2が定まり、Bohrの式を用いて(dE_2/dX)が求まるので、ソフト・エラーの発生を重荷電粒子の(dE/dX)値と関連させて測定する事ができる。 長時間実験において、その蓄積線量効果とソフト・エラーとの複合効果を検討するためにICの消費電流をサンプリング・チャージ・メータで測定し、蓄積線量効果のパラメータとすることした。また真空槽の形状を改良して、真空引き開始時と大気導入時に起こりやすいNi膜破損を防止することに成功した。
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