1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650945
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
信川 寿 広島大学, 工学部, 教授 (60034344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 充 広島大学, 工学部, 助教授 (40195293)
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Keywords | 二重殻船体構造 / 最適設計 / SUMT法 / 乗数法 |
Research Abstract |
二重殻船体構造を有する油槽船を対象として,船体中央部の1タンク間の立体骨組構造解析に基づく最適設計を行った.目的関数は,(1)船殻重量と(2)材料費と溶接加工費を算入した建造費の2種類について行い,両者の最適値を比較した. それらによれば,船殻重量は(1)の場合が(2)の場合より小さくなるが,建造費は(2)の場合が(1)の場合に比べ小さくなることが分かった.この場合,縦通肋骨心距は(1)に比べ(2)の場合が大きくなり,(1)の場合の縦通肋骨心距は実船の場合に比べかなり小さくなるが,(2)の場合では実船寸法により近くなる.従って,実船構造では,建造費を目的関数とした最適化が図られているといえる. 次に,上記最適化において用いたSUMT法は初期値の設定が全制約条件を満足する必要があるため,任意の初期値からの計算開始ができず,設計者の意図する結果が得られない場合がある.一方,乗数法は初期値が制約条件を必ずしも満足する必要はなく,任意の値から計算を実行することができるが,乗数パラメータの設定により,その収束性が変化すること,さらに乗数パラメータにより極値が変化することなどを明らかにした. 最適化手法として,第1段階においてSUMT法を適用して最適設計を行い,最適値を求める.次に,第1段階で求めた最適値では,板厚が実在の寸法に適合しない場合は,これらをその付近の実在の寸法に固定して,第2段階の最適化を乗数法を適用して行う.この場合,実在の寸法に修正したために初期値が最適化における制約条件をおかす可能性があるが,乗数法では計算が実行できる.このようにして2段階の最適化により,実際に建造可能な最適寸法をえることができることを示した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 信川寿: "Structural Optimization of Tanker with Double Hull System Based on Plastic Design" 日本造船学会論文集. 第173号. 269-276 (1993)
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[Publications] 信川寿: "Cost Optimization of Double Hull Tanker Structures Based on Plastic Design" 日本造船学会論文集. 第174号. 491-500 (1993)