1994 Fiscal Year Annual Research Report
植物根の形態や機能に関する短根遺伝子の単離と遺伝機構の解明
Project/Area Number |
05660006
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
一井 眞比古 香川大学, 農学部, 教授 (50036076)
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Keywords | イネ / 根 / 突然変異体 |
Research Abstract |
植物根の機能を遺伝育種学的立場から究明するため,イネ品種オオチカラのM2集団から短根突然変異体RM1を既に選抜した.その後,より多くの突然変異体を収集するために短根突然変異体の選抜を再度試みたところ,RM1とは異なる新たな短根突然変異体RM8及びRM10が見い出された. RM8及びRM10の根長は野生型のそれぞれ70%及び30%であり,野生型より有意に短根であった.ただRM10の根長は先の短根突然変異体RM1とほぼ同じであった.つぎに根の細胞の大きさを比較したところ,RM8及びRM10の皮層細胞長は野生型とほぼ同じであったが,RM1の皮層細胞長は野生型の半分であり,根長が同じであるRM1とRM10は細胞組織的には異なっていることが明らかになった.また外観上同種の短根であっても,細胞長の短縮に起因する場合と細胞数の減少に起因する場合のあることが明らかになった.さらに,これら短根突然変異体及びそれらの野生型の相互交雑後代における短根型の分離を観察したところ,RM1,RM8及びRM10はいずれも単因子劣性型の突然変異体であり,またそれらは相互に異なる遺伝子によって支配されていることが示唆された.一方,RM1,RM8及びRM10と野生型との雑種後代を野生型に戻し交雑し,短根遺伝子に関するisogenic lineを育成するための努力を続けている.
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[Publications] 一井眞比古・石川道夫: "イネ短根突然変異体の形態と生育特性(2)" 育種学雑誌. 42・別1. 206-207 (1993)
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[Publications] 一井眞比古・立藤国広・大西武: "NAA耐性によるイネ短根突然変異体の選抜" 育種学雑誌. 43・別2. 265- (1993)
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[Publications] 梁正偉・一井眞比古: "短根イネ突然変異体LM10の育成とその特性" 育種学雑誌. 44・別1. 243- (1994)