1994 Fiscal Year Annual Research Report
パンコムギにおける染色体欠失系統の作製と物理的遺伝子地図の構築
Project/Area Number |
05660008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 隆 京都大学, 農学部, 教授 (60068830)
|
Keywords | パンコムギ / 欠失染色体 / 欠失地図作製 / Cバンド / 染色体地図 / 遺伝子地図 |
Research Abstract |
前年度および本年度におけるCバンド法による選抜で、パンコムギChinese Spring の21染色体すべてについて欠失染色体の選抜を完了した。その結果、ホモ接合になったものが348、ヘテロ接合のままのものが88、合計436の欠失染色体が同定、分離されて欠失系統として確立した。ホモ接合になった系統は、自家受精によって、子孫を得ることができた。2Aおよび4B染色体の短腕の欠失では、ホモ接合体が得られたが、それらは不稔になった。そのため、それらの欠失染色体はヘテロ接合の状態で維持することになった。その他のヘテロ接合の欠失染色体は、主に1DL,4AL,5AL,5BL,5DLの欠失であった。これまでの研究から、これらの染色体腕は、花粉稔性もしくは植物の生存に必須の遺伝子をもっていることが明かになっており、ホモ接合体が得られそうになかった。そこで、これらのヘテロ接合系統を異数体のNullisomic-tetrasomic系統と交配し、その子孫からヘミ接合体が得られる状態にした。これら欠失染色体すべての顕微鏡写真を撮り、それらの短腕、長腕の比率の計測を行なった。これらの写真と計測データに基づき欠失染色体の写真一覧図と模式図を作成した。また、これらの欠失系統とDNAマ-カを利用した欠失地図作製(Deletion mapping)を、米国カンザス州立大学のDr.B.S.Gill研究室との共同研究によって行ない、パンコムギ7同祖群すべてについて完了した。その結果は、一部はすでに論文として発表され、残りについては論文を投稿中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] ENDO,T.R.: "Structural changes of rye chromosome IR induced by a gametocidal chromosome" Japanese Journal of Geneticss. 69. 13-19 (1994)
-
[Publications] YAMAMORI,M.: "Waxy Protein deficiency and chromosomal location of coding genes in common wheat" Theor.Appl.Genet.89. 179-184 (1994)