1994 Fiscal Year Annual Research Report
トマトにおける光合成産物の転流経路と糖代謝に関する研究
Project/Area Number |
05660021
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金浜 耕基 東北大学, 農学部, 教授 (00113936)
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Keywords | トマト / 葉序 / 維管束走向 / 転流 / 光合成産物 / 糖代謝 |
Research Abstract |
平成5年度には葉の配列に変異の小さい近縁野生種のトマトを用いて、葉序と維管束走向システムを明らかにしてきた。その結果、平均開度は約135度であったので、開度法で表すと葉序3/8に近かったものの、厳密には直列線上に配列する例は少なかった。斜列法では3:5と表され、ほとんど例外なく適用された。 平成6年度においては、栽培種のトマトで経済的に重要な5品種を選んで、葉序と維管束走向システムについて調べた。その結果、栽培種のトマトは、5品種とも、平均開度が約135度であったので、葉序3/8に近いものとみられたが、近縁野生種に比べて葉の配列の変異が非常に大きかったので、直列線は認められなかった。一方、斜列法で表すと、5品種とも3:5と表され、ほとんど例外なく適用された。したがって、トマトの葉序は栽培種においても斜列法で3:5と表す方がふさわしいと結論された。 主茎の維管束は葉の配列に対応して走向し、1つの節間には2本が1束状になった太い維管束が3組と、細い維管束2本の、合計8本が縦走していた。光合成産物は維管束内を転流しているので、維管束の走向システムに従った特定の転流経路が存在するものと考えられた。光合成産物は葉で合成された後、トマトでは主に糖質の形態で転流するが、その間に代謝されるので、部位によって糖質の濃度と組成が大きく異なる。ところで申請者はこれまでの研究において、葉柄、茎、果実などの同じ部位であっても、何本か走向している維管束間において、転流物質の濃度と組成が異なっていることを、メロンなどのウリ科そ菜について明らかにしてきた。トマトにおいてもこのような可能性が大きいので、本研究計画においては同じ観点からトマトにおける転流経路を維管束単位で明かにしつつあり、転流が早く盛んに行われている維管束内での糖代謝を分析中である。
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[Publications] Kanahama,K.: "Phyllotaxis on the main shoot of the wild tomato plants calculated by the orthosticfy system" Journal of the Japanese Society for Herticultural Science. 62. 377-382 (1993)
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[Publications] 大川 亘: "トマトの主茎上における維管束の走向" 園芸学会雑誌別冊. 62(2). 362-363 (1993)
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[Publications] Kanahama,K.: "Phyllotaxis on the main shoot of the wild tomato plants calculated by the parastichy system" Tohoku Journal of Agricultural Research. 44. 15-22 (1994)
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[Publications] Kanahama,K.: "Arrangement of leaves,inflorescences,and vascular bundles tomato plants" XXIV IHC Abstracts. 91-91 (1994)
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[Publications] 小松 幹男: "トマト L.esculentum Millの主枝上における葉の配列" 園芸学会雑誌別冊. 63(1)(発表予定). (1995)