1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660026
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
荒木 肇 新潟大学, 農学部, 助教授 (30183148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 隆 北海道大学, 農学部, 教授 (30001457)
伊藤 道秋 新潟大学, 農学部, 教授 (20001464)
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Keywords | ヤマノイモ属 / ハイブリッド / 画像処理 / 組織培養 |
Research Abstract |
形状と品質の全く異なるヤマノイモ属2品種(雌;ヤマトイモ 雄;ナガイモ)間で獲得した交雑系統(ハイブリッドヤマイモと仮称)の利用を検討すべく、3年生株の特性を調査した。 1.増殖能力;1993年5月に8系統の種いも(10〜30g)を新潟大学農学部実験圃場に定植したが、2m以上に蔓が伸長した。ほとんどの系統は100g以上に発育し、来年度は種いも重量をそろえて、増殖能力を比較できると考えられた。ムカゴはナガイモで着生し、ヤマトイモでは認められなかった。交雑系統では今年度の全供試系統に着生したが、着生数には系統間で差異が認められた。これには供試系統の発育程度も影響しており、再調査が必要である。 2.葉といもの形状;ナガイモの葉形は10節以降で安定し、特有の耳のある披針形を示した。葉形の安定した葉を画像処理装置・多変量解析を用いて形状を識別すると、交雑系統では丸み性で供試系統に差異が認められ、ヤマトイモに近い心臓形からナガイモ特有の披針形まで変異した。画像処理装置での計測要素には限界もあり、手動計測によるデータと結合させた評価が必要であった。いもの形状は5月の定植時には長系と塊状に大別されたが、ほぼそれらの形状となり、2〜3年株で形状は推察できると考えられた。 3.組織培養特性;節部培養によるシュート形成能力ではヤマトイモとハイブリッドヤマイモとも若干の差はあるものの、MSを基本としてBA0.1μMとNAA1μMの添加培地が有効であった。未展開葉からの不定芽形成ではヤマトイモではBA2mg/lを添加したMS培地で誘導されたが、ナガイモでは誘導されず、交雑系統での誘導率も低かった。両親品種・日本国内の野生種を供試して不定胚誘導能力を比較したところ、ヤマトイモの茎頂とウチワドコロの未熟胚よりエンブリオジェニックカルスは誘導できたが、明確な不定胚の形成には至らなかった。
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