1993 Fiscal Year Annual Research Report
レウココリネを中心とした新花卉の生育・開花習性に関する生態的研究
Project/Area Number |
05660028
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大川 清 静岡大学, 農学部, 教授 (60185204)
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Keywords | レウココリネ / リューココリーネ / 新花卉 / 生育・開花習性 / チリ自生 / 休眠 / ドロッパー / 花芽分化 |
Research Abstract |
レウココリネはわが国では秋植え球根として扱われており、9〜10月に植え付け無加温温室で栽培すると3〜4月に開花する。開花した後地上部が枯死するので、掘り上げて乾燥貯蔵するが、開花期頃から徐々に休眠に入り、掘り上げ時には深い休眠状態にある。 掘り上げ直後の6月19日にL.coquimbensisの球根を解体し生長点を検鏡してみると、半分の個体が生長点2分期に達していた。その後も2週間毎に検鏡してみたが、花芽は休眠期間中には次の段階には進まず、休眠が破れた10月下旬に発達を開始した。その後の発達は速く、11月上旬には半数が雌ずい形成期に達した。これは第1花茎の第1花の発達であるが、同じ花茎の第2花以下も第1花に続いて発達し、球内で花芽が完成する。第1花茎の第1花が完成した頃に、次の花茎の生長点を2分し、第1花茎に続いて発達を開始する。第3花茎以降も同様に、前の花茎の第1花が完成する頃に2分期に達し、発達を始める。また2つの花茎の間にはりん片葉が2枚形成される。すなわち葉2枚に1つの割合で花芽が形成される。 つぎに貯蔵温度が出芽と開花に及ぼす影響を調べるため、掘り上げたL.coquimbensisの球根を0〜30℃で貯蔵し、11月18日に植え付けた場合の、生育・開花状況を調査した。その結果0〜15℃貯蔵区では出芽までに長い日数を要し、出芽してもほとんど開花しなかった。20〜30℃貯蔵区では全てが出芽・開花し、切り花品質も優れていたが、20℃で出芽・開花が早かった。植え付け時に球根を解体し花芽を観察したところ、20℃区で最も発達しており、25℃区でも発達していたが、それ以外の貯蔵温度で発達を停止していた。これらの結果から、L.coquimbensisの休眠は20〜30℃で打破され、花芽は20〜25℃で発達することが明らかになった。
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