1994 Fiscal Year Annual Research Report
トマト果実のゴールドスペック発生の機構解明と防止に関する研究
Project/Area Number |
05660029
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
糠谷 明 静岡大学, 農学部, 助教授 (10109134)
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Keywords | トマト / ゴールドスペック / 尻腐れ / NH4-N / K / Ca比 / ロックウ-ル栽培 / 養液栽培 / カルシウム栄養 |
Research Abstract |
ゴールドスペックの発生程度の異なる果実を用い、貯蔵性や品質の違いを明らかにする目的で、呼吸量、エチレン生成量、糖、アミノ酸、アスコルビン酸含量について調査した。 ゴールドスペックの程度は、まったく発生していないものを0、果実全体に発生しているものを3として評価した。収穫後果実を20℃に貯蔵し、翌日より呼吸量およびエチレン生成量をガスクロマトグラフで測定した。糖含量はソモギネルソン法で全糖量と還元糖を定量した。あわせて糖度計によるブリックスの測定も行った。アミノ酸は可溶性窒素化合物としてニンヒドリン法で定量し、アスコルビン酸はヒドラジン法で酸化型アスコルビン酸と還元型アスコルビン酸を定量した。 呼吸量およびニチレン生成量にゴールドスペックの程度による差はみられなかった。アミノ酸含量にもゴールドスペックの程度による有意な差はみられなかった。糖含量には、ゴールドスペックの程度による差がみられた。桃太郎のゴールドスペックの0と0′はゴールドスペック1と3′より収穫が約1ヵ月早い果実である。従って、単純な比較は避けたほうがよいが、収穫が同時であるゴールドスペック1と3′においては、ゴールドスペックの多い3′の方が糖含量が少ない。ただし、糖度計によるブリックスの測定では、ゴールドスペックの程度にる有意な差は認められなかった。アスコルビン酸含量についても、ゴールドスペックの程度による差はみられた。 また、針状のシュウ酸カルシウムの結晶が物理的ダメ-ジを与えて貯蔵性を悪くするのではないかと考えられていることから、輸送を想定した振動実験や形態的観察も行ったが、このことは確認するに至らなかった。
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