1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660036
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋永 文男 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70038222)
|
Keywords | 電場処理 / 鮮度保持 |
Research Abstract |
高圧電場処理による新しい青果物の鮮度保持法を開発することを目的とし、研究を開始しているが、これは省エネルギー的な簡易な方法としてその利用が期待されている。 まず、電場処理を用いる装置の試作、改良を行い、より効率的に処理できるように工夫して以下の実験を行った。まず鮮度保持に最も関係の深い水分蒸発について純水や水溶液を用いて負荷電圧、溶液の種類、処理時間から研究を進めた。その結果、正又は負の直流電場より交流電場の方が、水分蒸発には数倍有効であること、また処理後の水分蒸発は一定時間抑制されること等が分った。さらに蒸発に伴う温度の変化も詳細に測定し、気化熱の影響を明らかにした。次に果実、野菜の乾燥効果について、リンゴ切片を用いて実験を行い、非常に有効であることを見出した。 青果物の保蔵に関しては種々の果実、野菜を処理して、その効果を試験した結果、現時点の条件下では、顕著に鮮度保持効果が現われるものは少なかった。しかし、リンゴ、バナナ、ナシ等でその効果が認められ、特にリンゴでは電場処理により、呼吸量が抑制されることが明らかになった。なお老化に関するエチレン発生量に関しては有意な差が見られなかったので、その原因を解明するとともに、さらに広範囲に電場処理が有効な果実、野菜を調査、研究中である。上記の溶液の水分蒸発や果物の乾燥に関する結果については英文でまとめて投稿予定である。
|