1993 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌の抵抗性反応抑制遺伝子の解明および宿主細胞の情報受容機構の解析
Project/Area Number |
05660047
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古市 尚高 新潟大学, 農学部, 助教授 (50238664)
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Keywords | ジャガイモ / 疫病菌 / エリシター / サプレッサー / プロトンポンプ / [H^+]ATPase / グルカン / 情報受容 |
Research Abstract |
ジャガイモの疫病菌(Phytophthora infestans)から、植物の防御反応誘導因子(エリシター、糖タンパクあるいは脂肪酸)が単離報告されている。疫病菌のエリシターをジャガイモ組織に与えると、細胞膜のプロトンポンプに依存した膜電位が速やかに低下し、それにともなって過敏感反応が引き起こされる(Tomiyama et al.1983)。最近、我々は、エリシターが宿主細胞膜の[H+]ATPaseの活性を強く阻害することをin vitroの研究により明らかにした。一方、ジャガイモ疫病菌の病原性決定因子として過敏感反応抑制因子(サプレッサー、グルカンMr4700とMr440)が報告されている(Doke et al.1979,Furuichi and Suzuki 1989).このサプレッサーは、感染初期の貫入の場面で、発芽胞子から生産され、宿主の過敏感抵抗反応を阻害する。この過敏感反応の制御は、宿主細胞膜の100kDの[H+]ATPaseのリン酸化によることが明らかにされつつある。 これらとは別に、植物細胞の情報伝達に活性酸素類の関与も示唆されている。すなわち、Doke(1983)は、宿主細胞での活性酸素類がエリシターによって誘導され、その誘導は、サプレッサーにより阻害されるとした。 我々は、病原菌の生産する因子による過敏感反応の制御をマーカーとして、解析を行い、宿主と非宿主間での作用の違いを明らかにしつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 古市尚高: "ジャガイモおよびインゲンの過敏感反応における情報伝達機構" 植物微生物研究会. 3(Proceeding). 15-17 (1993)
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[Publications] 古市尚高: "ジャガイモ疫病菌より抽出した糖タンパク質エリシターの活性部位とその構造について" 植物微生物研究会. 3(Proceeding). 18-20 (1993)
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[Publications] N.FURUICHI: "Specific phosphorylation of plasma membrane H^+-ATPase of potato and bean cells stimulated by the fungal suppressor and elicitor of P.infestans" Annals of the Phytopathological Society JAPAN. 59. 268 (1993)
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[Publications] N.FURUICHI: "Phosphorylation of plasma membrane H^+-ATPase of potato and bean cells stimulated by the fungal suppressor and elicitor of Phytophthora infestans" Proceeding of 6th International Congress of Plant Pathology. 195 (1993)
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[Publications] N.FURUICHI: "Membrane Signal Transduction of potato and bean cells in defence reaction" Proceeding of the second Tottori University International Symposium on Host-Specific Toxin.17 (1993)
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[Publications] N.FURUICHI: "Host-Specific Toxin:Biosynthesis,Receptor and Molecular Biology" Tottori University Press, 230 (1994)