1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660050
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤崎 憲治 岡山大学, 農学部, 教授 (10228976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佃 律子 岡山大学, 農学部, 助手 (10032989)
中筋 房夫 岡山大学, 農学部, 教授 (20109317)
|
Keywords | カメムシ類 / カンシャコバネナガカメムシ / フタモンホシカメムシ / 翅多型性 / 長翅型 / 短翅型 / 飛翔筋 / 卵休眠 |
Research Abstract |
以下のカメムシ類について翅多型性及び関連する生活史形質についての個体群生物学的研究を実施した。 1.カンシャコバネナガカメムシについては、まず翅型と飛翔筋の発達度合との関係について調べた。その結果、短翅型はほとんど全く飛翔筋を発達させていないのに対し、長翅型は発達させている個体が多いことが分かった。ただし、長翅型でも飛翔筋が未発達の個体がいたことは、長翅型でも全てが飛翔できるわけではないことを示しており、大変興味深い。また、飛翔筋の発達度合は不連続で、発達しているかいないかのいずれかであった。すなわち、本種の翅型は多少とも連続的な多型性であるのに対し、飛翔筋は二型性であることが判明した。本種の卵休眠についても研究されたが、成虫の休眠卵産下性の誘起要因である短日の感受期は、成虫期のみならず幼虫期も該当することが分かった。また、休眠卵産下性の打破要因としては長日と高温の両方が関与していること、長翅型が産下した休眠卵の方が短翅型のそれに比べて休眠が打破されにくいことが分かった。 2.フタモンホシカメムシについては、野外調査の結果、9月から10月にかけての秋季に長翅型が生産されやすいことが分かった。このことは、長日よりも短日に反応して長翅型が生産されやすいという、実験室内での結果とほぼ対応しているものと考えられた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Fujisaki,K.: "Wing polymorphism in the Oriental chinch bug,Cavelerius saccharinorus:its adaptive significance and ecological conseguences." Proceedings of Memorial and International Symposium on Disuersal Polymorphism of Insects,Its Adaptation and Evolution. 109-124 (1994)
-
[Publications] 藤崎憲治: "昆虫における分散多型性の進化:Roffの理論の検証" 日本応用動物昆虫学会誌. 38. 231-244 (1994)
-
[Publications] Sakashita,T.: "Environmental factors affecting wing length variation of a stink bug,Pyrrhocoris sibiricus(Heteroptera:Pyrrhocoridue)" Applied Entomology and Zoology. 30. (1995)