1993 Fiscal Year Annual Research Report
チャ培養細胞および培養根のアルミニウムストレスに対する応答機構
Project/Area Number |
05660073
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小西 茂毅 静岡大学, 農学部, 教授 (70026417)
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Keywords | チャ(茶樹) / アルミニウム(Al) / カルシウムイオン(Ca^〓) / ホウ素(B) / Indo-1 |
Research Abstract |
最近,細胞の活性度を細胞内Ca^〓の上昇で評価する方法が注目されている。しかし植物細胞での研究は極めて乏しい。本研究はチャのアルミニウム(Al)ストレスに対する応答,Alの促進効果を蛍光物質(Ind-1)使用で細胞内Ca^〓の応答より検討した。 (1)細胞内Ca^〓の動態測定法を確立し,次式を設定した。また元素による蛍光の影響がないことを知り,さらに自己蛍光の補正式を設定した。 (2)チャ花粉管細胞内のCa^〓の動態に及ぼすAlの影響について検討した。チャの花粉管細胞はAlの少量供与(3μM)で促進がみられるが,同濃度で細胞内Ca^〓濃度が約500nMから約1μMに上昇した(ホウ素(B)適量区)。Bを低濃度与えた場合,Alの5μM供与でCa^〓濃度が約1μMと高くなり,Al高濃度側に移動した。一方Alを与えないでBを与えるとB濃度の増加と共に細胞内Ca^〓濃度は高まり1μM近くなった。Alを適量(3μM)加え,B濃度を高めるとBの0.1mMまで上昇したが頭打ちを示した。これらのことはAlとBが生理機能において類似性のあることを示している。 (3)次年度予定の「Alとカロース生成応答」を予備実験として行い,別の研究である「微生物による酸性土壌の矯正」で得た微生物産生物質を本研究に適用したところ,成果が得られた。(新聞発表あり)
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