1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660095
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鈴木 幸雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80033108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 学 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20216336)
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Keywords | 有機溶媒系の酵素合成 / 配糖化 / ホスファチジル化 / 燐脂質化 / 酵素的配糖化 / 酵素的燐脂質化 |
Research Abstract |
(1)親水性有機溶媒における脂溶性生理活性物質の配糖化 モノテルペンアルコール(炭素数10以下のゲラニオール、ネロール、シトロネロール、及び炭素数15以上のファルネソール、ゲラニルゲラニオール)とセロビオース(ラクトース)を含む50%アセトニトリル・酢酸緩衝液にβ-グリコシダーゼを作用した際、TLC上に各アルコールよりもRf値が低い単一の新スポットの生成を認めた。各反応液から新規生成物をシリカゲルカラムクロマトブラフィーにより単離、精製した。機器分析により、各生成物が各アルコールのβ-配糖体であることを明らかにした。これら配糖体の多くは天然に見いだされているが、酵素合成は例がない。 (2)修飾酵素(脂溶性)による脂溶性生理活性物質の配糖化 高配糖化能を示す微生物由来α-グルコシダーゼに、両親媒性高分子(ポリエチレングリコール、PEG)を種々の条件下で化学的に結合させ、修飾酵素(PEG-α-グルコシダーゼ)を調製したが、いずれも疎水性有機溶媒中の配糖化能が微弱であった。 (3)有機溶媒系における、水溶性生理活性物質の酵素的燐脂質化 水溶性ビタミンの燐脂質誘導体は、構造の安定化、脂溶化、細胞親和性などの面で興味が持たれる。水溶性ビタミンB_1、B_2、B_6、パントテン酸及びB_1関連物質(B_1プロピルジスルフィド)の燐脂質誘導体をいずれも酵素合成した。すなわち、各ビタミンの酢酸緩衝液に、合成レシチンのクロロホルム溶液及びホスホリパーゼDを加え、攪拌反応後、クロロホルム層から新規生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離、精製した。機器分析により、それらが各ビタミンの新規燐脂質誘導体(脂溶性)であることを明らかにした。 今後は、現在知られていない、脂溶性生理活性物質の環結合性OH基(CH_2OH基ではなく)への強力な糖転移酵素及び燐脂質転移酵素の探索、単離を行い、より広範囲の有用な生理活性物質の酵素的配糖化と燐脂質化を進展したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sugimoto,M.and Suzuki,Y.: "Subsite affinities of α-glucosidase from Mucor javanicus." Biosci.Biotech.Biochem.57. 1378-1379 (1993)
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[Publications] Suzuki,Y.,Doi,Y.and Uchida,K.: "Phosphatidylation of pyridoxine and riboflavin by phospholipase D." Abstracts of European Symposium on Biocatalysis.(Graz.Austria,Sept.12-17). L-47 (1993)
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[Publications] 北野美香・高見正明・鈴木幸雄: "長鎖モノテルペンアルコールの酵素的配糖化" 日本農芸化学会誌(1994年度日本農芸化学会大会要旨集). 58. 248 (1994)
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[Publications] 日高直美・高見正明・鈴木幸雄: "水溶性ビタミンのリン脂質化" 日本農芸化学会誌(1994年度日本農芸化学会大会要旨集). 58. 330 (1994)