1994 Fiscal Year Annual Research Report
新規な耐熱性酸性プロテアーゼ“クマモリシン"に関する研究
Project/Area Number |
05660109
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Research Institution | Kumamoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
村尾 澤夫 熊本工業大学, 工学部, 教授 (00081472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾山 廣 熊本工業大学, 工学部, 講師 (50221700)
新 隆志 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (50179066)
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Keywords | 酸性プロテアーゼ / 耐熱性 / クマモリシン |
Research Abstract |
クマモリシンはこれまでに報告がないユニークな酸性プロテアーゼで、従来の酸性プロテアーゼ特異的阻害剤で全く阻害を受けないばかりか、酸性プロテアーゼとしてはめずらしく耐熱性が高いと同時に基質特異性が極めて高いという特徴がある。本研究課題では昨年度に引き続き、本酵素の基質特異性の解析、タンパクおよび遺伝子レベルからの一次構造解明について研究を進め、以下に示す成果を得た。 基質特異性解析:酸化インスリンB鎖の水解部位Leu(15)-Tyr(16)周辺配列と同一構造の最小基質(VEAL-YL;-切断点)およびIns(12-18)(VEAL-YLV)のサブサイトP2位のAを塩基性アミノ酸(K、H、R)に置き換えたペプチド6種を合成し、速度論的解析を行ったところ最小基質がKcat=20.8s^<-1>で加水分解されるのに対し、いずれのペプチドも0.6s^<-1>程度の分解にとどまった。現在、さらにアナログペプチドの合成を進めている。 クマモリシンの一次構造解析:本年度は遺伝子レベルからの検討を重点的に進めた。昨年度、染色体DNAのSall断片(3Kbp)をpUC18に挿入して得たプラスミドpK1を構築した。本年度はさらにサブクローニングを進めた。まずpK1の詳細な制限酵素地図を作成、ついでその断片のハイブリダイゼーションを試み、BamHI断片(0.5Kbp)を候補として選択した。これをpUC18の同部位に挿入しプラスミドpKB1を構築し、その塩基配列を決定した。しかしながら、クマモリシンのアミノ酸配列に該当する塩基配列を含むことが分かったが、クマモリシンのN-末端部分のアミノ酸配列に相当する塩基配列を含まず、pKB1はクマモリシンの一部分であることが判明した。現在、pK1の他の断片について検討を行っている。
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Research Products
(1 results)