1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660153
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
太田 岳史 岩手大学, 農学部, 助教授 (20152142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 健一 岩手大学, 工学部, 教授 (10001140)
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Keywords | 亜高山帯 / 融雪 / 熱収支 / 時間変動 / 空間変動 |
Research Abstract |
亜高山帯での融雪特性を熱収支納見地から、(1)時間の進行にともなう熱収支構成の変化、(2)傾斜による融雪の熱収支特性の変動、(3)標高による融雪量の変化に関する熱収支特性の3点に検討を加えた。(1)に関しては、時間(季節)の進行にともなって純放射量が融雪熱量に占める比率が低下した。これは融雪後期に潜熱が凝結側にはたらくことでより顕著に現れた。また、融雪熱量の日毎の変動は時間の進行とともに大きくなった。日毎の変動は融雪前期には純放射量に、後期には乱流輸送量に強く影響された。この支配因子の変化にも潜熱が蒸発から凝結へと変化する影響が大きかった。(2)に関しては、潜熱が蒸発にはたらく場合、傾斜地と平坦地での融雪の差は純放射量の差によって決まり、日射条件ごとにほぼ一定の差が生じた。潜熱が凝結の場合には両地点での風速の差が大きくなるほど融雪量差が大きくなり乱流輸送量による融雪の差が無視できなくなった。これは潜熱が蒸発の場合には顕熱と打ち消し合い乱流による融雪が相対的に小さくなるのに対し、潜熱が凝結になると顕熱・潜熱ともに融雪を促進させるためである。(3)に関しては、融雪前期では常に低標高地点の方が高標高地点よりも融雪量が多いが、時間の進行にともない高標高地点の方が多くなる。熱収支的に見ると放射による融雪は常に低標高地点の融雪をより促進する結果となった。一方、乱流による融雪は高標高地点での風速が大きくなる時が多く、潜熱が凝結により融雪を促進させる融雪後期になると高標高地点での乱流による融雪が非常に大きくなった。 上記のように、亜高山帯では融雪が長期にわたるため、乱流輸送量、特に潜熱の変動が重要となる。
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[Publications] 児島淳 他2名: "八幡平における融雪観測と熱収支解析" 岩手大農演報. 25. 1-15 (1994)
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[Publications] Ohta,T.,et al.,: "Heat balance analysis in snowmeH rates in the subalpine region,Mt.Hachimantai" Proc.Int.Symp.Forest Hydrology. 193-200 (1994)
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[Publications] 古川俊也 他3名: "降雪・積雪・融雪現象に関する現地観測" 水工学論文集. 38. 95-100 (1994)
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[Publications] 斎藤秀樹 他5名: "積雪層内の含水率変化について" 平成5年度土木学会東北支部技術研究会講演集. 90-91 (1994)