1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660154
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 真 東京大学, 農学部, 助手 (10232555)
|
Keywords | 国立公園 / 保護地域 / 原生自然保護区 |
Research Abstract |
世界の保護地域は、国際自然保護連合(IUCN)によって次に示す類型化がなされている:(1)原生自然保護区、(2)国立公園、(3)天然記念物等、(4)管理自然保護区/野生動物サンクチュアリ、(5)保護景観等、(6)資源保護区、(7)人類学的保護区等、(8)多目的管理区等、(9)バイオスフェア保護区、(10)世界遺産区。このうち、(9)(10)は国際的な計画により設定され、他の類型と重複する場合がある。また、(1)〜(5)はIUCN等によりモニタリングがなされており、設定の箇所数や面積を知ることが出来る。 1990年における(1)〜(5)類型までの設定箇所は6940、うち42%が(4)、24%が(5)、20%が(2)である。一方、設定総面積は約651万平方キロメートルで、うち47%が(2)、30%が(4)、12%が(5)となっている。これは、一カ所当たりの平均面積が、(2)の国立公園は2221平方キロメートルと飛び抜けて大きいからである。 さて、本研究計画の中心的課題である土地の収用実態の把握は、全ての保護区の設定過程で避けて通れない重要な課題である。しかし、土地の収用に関する資料の収集は非常に困難であり、来年度も確実に入手できるという保証はない。そこで、もし資料入手が不可能な場合の次善の策を講ずる必要がある。(2)においてはAnthropological Zoneにおいて、また(7)においては全面的に、先住民の居住が認められていることに着目するのである。すなわち、この2類型の保護区が、それぞれの国で具体的にどのように実施されているのかを把握することにより、先住民と保護区との望ましい関係を考察することとしたい。
|