1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660161
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 弘之 京都大学, 農学部, 教授 (90026633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 晋也 京都大学, 農学部, 講師 (90212026)
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Keywords | タウンヤ法 / 造林 / タイ / 焼畑林業 / 焼畑 / 山北町 / アカカブ |
Research Abstract |
東南アジアでは、その資金不足から造林・森林再生はアグロフォレストリーの代表的なものであるタウンヤ法、すなわち、かってわが国で広く実行されていた焼畑林業(木場作、切替え畑)で行われている。東南アジアとの比較で、わが国で唯一、「焼畑林業」として、スギの造林が継続実行されている新潟県岩船郡山北町での調査を続け、年次別造林面積統計および作物(アカカブ)の収量・生産統計をまとめることができ、山北町での焼畑林業の推移、および現在かかえている問題点をかなり明確に把握することができた。 この方法の利点は、造林者にとっては、あくまで間作による造林経費、とくに地拵え費・下刈り費の節減、一方の耕作者にとっては自然食ブームで高価に取引されるアカカブの収穫にある。しかし、現今の木材価格の低迷から、伐採が差し控えられ、新しい造林地はきわめて限られる。このことにより、焼畑林業の停滞、連作できないアカカブの生産の停滞が起こっているを明らかにできた。 東南アジアとはその自然・社会・経済条件が大きく異なり、山北町での技術が直接応用できないが、付加価値のある作物の選択、森林組合による耕作地の斡旋・アカカブの共同出荷、さらには山北町自体によるアカカブ収穫のイベントなど地域経済振興・地域社会の維持に対するバックアップなど、東南アジアのタウンヤ法での造林・森林再生の実際に、いくつかの参考意見をみつけることができた。 これら得られた成果の一部を日本林学会大会など学会で講演するとともに、京都大学農学部演習林報告などに発表した。また、最終年度として研究成果報告書を作成・刊行した。
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[Publications] 竹田晋也・渡辺弘之: "新潟県山北町の焼畑林業-焼畑面積の推移と焼畑林業の現状-" 京都大学農学部 演習林報告. 67. 31-39 (1995)
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[Publications] 渡辺弘之・竹田晋也: "新潟県山北町での焼畑林業(I)-造林の利点 タイでのタウンヤ法との比較から-" 第106回 日本林学会大会 講演要旨集. 653- (1995)
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[Publications] 竹田晋也・渡辺弘之: "新潟県山北町での焼畑林業(II)-造林面積の推移と焼畑林業の現状-" 第106回 日本林学会大会 講演要旨集. 357 (1995)
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[Publications] 渡辺弘之・竹田晋也: "新潟県山北町での焼畑林業(造林)-東南アジアのタウンヤ法への応用の視点から-" 日本林学会関西支部 第46回大会 講演要旨集. 64- (1995)