1994 Fiscal Year Annual Research Report
京都市域における酸性降下物の拡散と都市林の遷移機構に関する研究
Project/Area Number |
05660162
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 信 京都大学, 農学部, 講師 (00133132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 理正 京都大学, 農学部, 助手 (80263135)
金子 隆之 京都大学, 農学部, 助手 (20233877)
高柳 敦 京都大学, 農学部, 助手 (70216795)
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Keywords | 雨水 / 酸性降下物 / 拡散 / pH / 導電率 / 京都市域 / 都市林 / 遷移 |
Research Abstract |
京都市市内およびその周辺地域20数カ所で1993年7月に2回,1994年と9月と11月に2回,初期降雨のpH,ECの測定を行った。その結果、降り始めから7mmまでの1mmごとの雨のpHは1993年梅雨期後半の2回の測定では3.6〜7.0,ECは80μS/cm以下で,pHの測定値幅が大きく,全体にECは低かった。1994年の3,4回目の測定は降雨の間隔が比較的開いた秋の測定で,3回目のpHは3.6〜4.7,ECは180μS/cmに達し,他の3回の測定値と比較してpHが低く,ECが高い傾向を示した。市内のpH,ECの分布傾向は北部の左京区、あるいは北区でpHが低く,ECが高く,東部の山科区においてもそのような傾向がみられたが,各降雨の気象条件,降雨の時間帯そして幹線道路からの距離をはじめ観測場所の状況によって大きく異なることが予想された。 一方、京都府下にある京都大学の3演習林・試験地(北から芦生、上賀茂、京大本部)における1993年6月から10月の観測結果の中から、同時に降雨が観測された11回の降雨についてpH、EC値を比較検討した結果、奥山の芦生はEC値が低く、京大本部ではEC値が極めて高いわりにpH値は上賀茂より高くなり、アルカリ源の存在が推測された。またpH、ECともに降り始めから3、4mmまでの降雨で変化が大きく、降雨の特性を知るためには初期降雨3mmまでを分取する必要があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)