1993 Fiscal Year Annual Research Report
樹木の貯水能力と水ストレスについての生態生理学的研究
Project/Area Number |
05660164
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉川 賢 岡山大学, 農学部, 助教授 (50166922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 圭児 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90205766)
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
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Keywords | 水ストレス / 樹木生理生態学 / 貯水能力 / 蒸散活動 / 光合成 / 木部圧ポテンシャル |
Research Abstract |
野外に自然状態で生育している樹木からのサンプリングによる調査と、ガラス室内に苗木を準備して行う室内実験を並行して行って、急性の水ストレスと慢性的な水ストレスが植物の生長や蒸散活動、光合成活動に与える影響を個体の貯水能力との関係で解析するための実験・調査を進めている。 急性の水ストレスについてはアラカシとクスノキの苗木を用いて潅水を停止して、土壌が乾燥していく過程での樹体からの水の蒸散速度や光合成速度の変化について測定を行った。その結果、急性の水ストレスが植物に与える最も顕著な影響としては、夜明け前の水ポテンシャルが低下し、光合成速度、蒸散速度が1日の環境条件の変化に対応しなくなることが明らかとなった。さらに、樹種によって土壌の水分条件の変化に対応した光合成活動や蒸散活動の低下の仕方に明らかな違いが認められた。 自然状態で生育しているネズミモチ、アラカシ、クスノキ、アカマツの切り枝からの蒸散の経過を測定することで、樹体の貯水量と気孔蒸散速度・クチクラ蒸散速度との関係を明らかにする予定で、平成5年度は実験装置の試作と、予備実験・測定を行った。その結果、各蒸散速度の季節的変化についての測定のめどが立った。 慢性的な水ストレスの影響を調べるためには長期間にわたる生長経過の測定が必要である。平成5年の春からアカマツ、アラカシ、ユーカリ、ケヤキ、コナラの苗木を水耕液によるれき耕によって生育させ、それぞれの肥大成長、伸長生長についての季節的変化を調べている。さらに、慢性的水ストレスの生長への影響を調べるために、ポリエチレングリコールによって水耕液の浸透ポテンシャルの調整を行い、来年度からの葉の水分特性などについての測定の見通しが立った。
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