1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒノキ林の花粉生産に及ぼす立木密度,地位および樹齢の影響
Project/Area Number |
05660173
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
齋藤 秀樹 京都府立大学, 農学部, 教授 (20026636)
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Keywords | 繁殖器官 / 花粉 / 生産速度 / 立木密度 / 間伐 / 土壌環境 / ヒノキ人工林 |
Research Abstract |
立木密度・土壌環境・林齢の異なるヒノキ人工林で雄花・種子・球果の生産量(個数・乾重)をリタートラップ法で測定し,比較検討した.花粉の生産量も調査した.調査したのは17年前に間伐した高齢林(77年生)の斜面上部の2調査区(立木密度差1.9倍)と同下部の3調査区(同2.2倍),和齢林(26年生)の斜面上部と下部であり,さらに林齢15,30,70,300年生林でも測定を継続した. 主な結果は次の通りであった.(1)農作年においては,同じ土壌にある林分は立木密度が低いほど比例して雄花数は増加した.すなわち,Y-D効果が確認された.ha当たり1本間伐すると,土壌に無関係に75×10^3個の雄花が増産され(花粉数では11×10^9粒),これは空中花粉の増加に直結する.斜面下部の成長良好な高密度林分(1736本/ha)で500本/ha(同30%)間伐すると15%の増加になる.また密度が同程度の林分であれば土壌環境が良くて成長の良い方が雄花生産は多かった。雌性部分の生産は土壌の良否とは無関係に一定であった。土壌が同程度であれば低密度の方が小差で多かった.雌性部分にはY-D効果は顕著に表れなかった.(2)しかし,凶作年においては豊作年に認められた,以上の傾向はみられず,林分間でバラバラの生産を示した.強いて言えば,凶作年においては林齢に係わらずほぼ一定とみなせる花粉生産を示した.以上の調査結果はスギ林の場合と一致する.
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