1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660176
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 卓郎 北海道大学, 農学部, 教授 (20173205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻野 哲司 岩手大学, 教育学部, 教授 (20003965)
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Keywords | 釘接合 / 木材 / 合板 / 鋼板 / 割裂破壊 / 繊維垂直方向加力 / 脆性 |
Research Abstract |
平成5年度は、当初の研究計画にしたがい、含水率約15%のトドマツ気乾材を用いて引張型の釘1面せん断試験を実施した。試験体の構成は、主材、側材ともに木材としたもの、主材を木材、側材を合板としたもの、主材を木材、側材を鋼板としたものの3種類とした。木材の繊維方向は、合板および鋼板を側材とする試験体では、せん断力の方向に垂直となるように、主材、側材ともに木材を用いた試験体では、その一方または両方の繊維方向がせん断力の方向に垂直となるようにした。実験には枠組壁工法用CN50、CN75の2種類の釘を使用した。その結果、既に研究代表者が比較的含水率の低いダグラスファー集成材を使用して得ている実験結果と同様に、主材、側材の組み合わせの違いや、主材の厚さによって様々な荷重-すべり特性が現れるものの、木材の繊維に垂直方向にせん断力が加わると、ほとんどの場合木材の脆性的な割裂破壊が生じることが確認された。この実験結果と研究代表者の既往の実験結果とから、構造用針葉樹材の釘接合部に繊維に垂直方向のせん断力が加わった場合には、樹種や試験体の含水率によらず、脆性的な割裂破壊が生じる危険性のあることが明かとなった。これにより、釘接合部の実際的な変形・破壊挙動を把握するという、本年度の主要な研究目的は達成されたものと考えられる。この実験結果は木材学会誌に投稿した。 また、上記の1面せん断試験とともに、釘接合部において上記のような割裂破壊の生じる条件を解析するために、木材の繊維に垂直方向に面圧力が加わる場合について、繊維方向加力の場合と同様な、特殊な荷重ブロックを用いた接合具面圧試験の実施を試みたが、実験方法が非常に難しく、使用可能なデータを得ることが出来なかった。
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