1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660177
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小澤 修二 北海道大学, 農学部, 助手 (50204194)
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Keywords | リグナン / 生合成 / キタコブシ / フロフラン型リグナン |
Research Abstract |
平成7年度は、樹体内でのリグナンの生成を検討する一環として、キタコブシのリグナンに着目し、それに含有する数種のフロフラン型リグナンの合成を行うとともに、市販のcatechol‐O‐methyltransferaseを用いた^<14>C標識monomethylpinoresinolの合成も試みた。また、キタコブシの粗酵素抽出液を用いた(±)‐pinoresinolのメチル化反応によるリグナン生成を検討した。 キタコブシのリグナン類の合成では、まず、sinapyl alcoholの酵素的酸化カップリングにより(±)‐syringaresinolを合成し、さらにそのメチル化により(±)‐monomethylsyringaresinol及び(±)‐yangambinを合成した。次に、ラセモイドテトロールを中間体とする7段階の経路で(±)‐piperitolを合成した。さらに市販のcatechol‐O‐methyltransferaseを用い、その広い基質特異性を利用して[3‐O^<14>CH_3]monomethylpinoresinolを合成した。現在この^<14>C標識リグナンを用いてeudesminとkobusinの生成を検討中である。 また、キタコブシ葉部より粗酵素抽出液を調製し、S‐adenosyl‐L‐[Me‐^<14>C]methionineを用いるトレーサー実験により、基質(±)‐pinoresinolからの放射性monomethylpinoresionolの生成を確認した。従って、キタコブシ樹体内においてpinoresinolがモノメチル化されてmonomethyl‐pinoresinolが生成することが示唆され、さらにそれがメチル化されてeudesminが生成することが推定された。
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