1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660190
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
番匠谷 薫 広島大学, 学校教育学部, 教授 (50101449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 安英 九州大学, 農学部, 助教授 (50038288)
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Keywords | 深穴加工 / 大断面構造用集成材 / 加工穴の曲がり / 木材切削 / 穴あけ工具 / ボルト接合 |
Research Abstract |
近年,出雲ドームに代表されるように,大断面構造用集成材を用いた木造建築物が,木構造技術の進歩にともなってわが国の各地において見られるようになってきた。これらの建築物における集成材同志の接合には,ボルト接合が採用されており,そのために大断面構造用集成材にかなりの数の深穴加工が施されている。このボルト接合用深穴加工では,加工穴の曲がりなどの原因によって,接合位置が合わなくなるなどの問題点が生産現場から指摘されている。 本研究は,ロングオーガービットによる大断面構造用集成材の深穴加工における加工穴の曲がり現象の原因の解明を目的にしており,平成5年度の研究では,まず深穴加工に都合のよい実験装置として,角のみ盤を改良してこれに自動送り装置,材料固定具,非接触式変位計,消費電力計などを組み込んだボーリングマシンの製作を行ったが,この実験装置の製作に予想外の時間を要した。その後,1回転あたり送り量を一定にして主軸回転数を変化させた深穴加工の基礎実験を行った。その結果,オーガービットの全長が500mmと長いために,主軸を高速回転で回すほどビット先端の振れが大きくなり,ビットの中心ぎりが大断面構造用集成材に食いつく(侵入する)時にセンターのずれを生じ,このずれの程度は高速回転ほど大きくなることを確認した。侵入後の曲がりの程度は,1回転あたり送り量によって影響を受けることが予想されるので,平成6年度の研究では,主軸回転数と1回転あたり送り量の組み合せを広範囲に変化させて加工穴の曲がりを詳細に調べる予定にしている。さらに,削り屑の排出が容易で深穴加工に適した高剛性のロングオーガービットの開発も試みる予定にしている。
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