1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660207
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松宮 義晴 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10100885)
|
Keywords | 情報量規準 / ベイズ理論 / 水産資源解析 / AIC / 情報更新 |
Research Abstract |
目的:漁獲量C_iと努力量X_iの期別データ(i=1,…,k)より、初期資源量N_0と漁具能率qを計算するDeLury法は広く利用されている。自然死亡係数Mを考慮する場合や、漁具能率が期ごとに変化する場合のモデルも考案されている。ここではモデルの比較をするためにAIC(赤池情報量基準)を用い、データの解析結果を通じて、モデルの発展とより現実的なパラメタの推定を導く過程について考察する。 方法:応用例を以下に示す。C_i/X_i=q_i(N_0-ΣC^^<i-1>__<J=1>_J)が基本式である。(1)DeLuryの第2モデルlog(C_i/X_i)=logqN_0-q(ΣX^^<i-1>__<J=1>_J)-M(i-1)を用いると、Mの有無の選択はAICによる重回帰分析の変数選択(F in=F out=2)に帰結できる。(2)漁具能率の変化する場合について、Schnute(1983)による除去法を拡張し、発展させた。SchnuteはX_i=1に限るデータについて、p(C_i)=_<N0-Ti-1> C_<Ci>(1-q_i)^<N0-Ti>q_i^<Ci>(但しT_i=ΣC^^i__<J=1>_J)と表現し、qの経時変化の3つのパターン〔q_i=q_1;q_i=q_1(i=1),q_i=q(i=2,…,k);q_i=q_1+(q-q_1)×(1-a^<i-1>)〕をモデル化し、最尤法でパラメタの推定、χ^2検定で最適モデルの決定を行った。本研究ではX_iを導入したモデルを考案し、最適モデルの選択にはAICを用いた。 適用:仮設データと実際の漁業データによって、適応用の具体的な方法と推定結果の信頼性、精度などについて検討を加えた。(1)努力量の期ごとの変動が大きければ、Mの有無の判定と妥当なパラメタの推定が可能である。(2)qが漸近的に一方向に変化するデータについても、最適モデルの選択とおおよそ妥当なパラメタの推定が可能である。資源量に対して漁獲量が多い場合にはモデルは頑健で、パラメタの推定値は信頼性が高い。
|
-
[Publications] 大西修平: "ベイズ型コホートモデルの水産資源解析への応用" 三重大学生物資源学部紀要. 9. 49-53 (1993)
-
[Publications] Takashi YAMAKAWA: "Expanded DeLury's Method with Variable Catchability and its Application to Catch-Effort Data of Japanese Spiny Lobster Fishery" Fisheries Science. 60(in press). (1994)