1993 Fiscal Year Annual Research Report
ウナギ目魚類レプトケファルス幼生の食性と飼料の評価
Project/Area Number |
05660211
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望岡 典隆 九州大学, 農学部, 助手 (40212261)
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Keywords | ウナギ目 / レプトケファルス / 食性 / 尾虫類 / ハモ / オタマボヤ |
Research Abstract |
ウナギ目魚類レプトケファルス幼生の食性およびその季節的変化を調べるため、宮崎県延岡湾においてイワシシラス漁で混獲されるウナギ目幼生のサンプリングを7月から10月にかけて毎月一回行なった。得られた幼生の消化管を位相差顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて観察した。8月から10月に採集されたハモ幼生21個体について消化管内容物を調べたところ、全個体の消化管から尾虫類の糞粒が多数見られ、このうち7個体から尾虫類のハウスが見い出された。ハウスの形態的特徴から、そのほとんどがオタマボヤ類(Oikopluridae)のオナガオタマボヤ(Oikopleura longicauda)のハウスであることが明らかになった。しかし、オナガオタマボヤそのものは消化管から見い出されなかった。この外、1個体の食道からクラゲ類の体の一部と推定されるものも見い出されたが、Net feedingの可能性もありさらに検討が必要である。いずれにしても今回の結果は幼生がゼラチナスプランクトンを主な餌としていることを強く示唆するものであった。平成5年度は冷夏および台風の襲来により、イワシシラス漁の出漁が少なく、例年夏季に多獲されるハモ、ウツボ、ウミヘビ等の幼生をごく僅かしか入手できなかった。今後、3月から5月にかけてマアナゴ、クロアナゴ幼生が例年多量に得られるので、これらを用いて消化管内容物の同定を行い、食性の季節的変化について検討する予定である。
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