1994 Fiscal Year Annual Research Report
ウナギ目魚類レプトケファルス幼生の食性と餌料の評価
Project/Area Number |
05660211
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望岡 典隆 九州大学, 農学部, 助手 (40212261)
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Keywords | ウナギ目 / レプトケファルス / 食性 / 尾虫類 |
Research Abstract |
ウナギ目魚類レプトケファルス幼生の食性およびその季節的地理的変化を調べるため、延岡湾,土佐湾および駿河湾で1月から9月に採集されたマアナゴ幼生523個体,ハモ幼生33個体,ウミヘビ属幼生48個体,ウツボ属幼生45個体,ニラミアナゴ属幼生5個体の計654個体について消化管内容物を調べた。その結果、供試魚の67%の消化管から尾虫類が脱ぎ捨てたハウスと尾虫類の糞粒が見い出され,尾虫類起源の有機懸濁物質が沿岸域に生息するこれら幼生の主要な餌料となっていることが明らかになった.さらに,これらのハウスを位相差顕微鏡と走査電子顕微鏡を用いて観察し,ハウスの分類を試みたところ,Oikopleura dioica(ワカレオタマボヤ)やO.longicauda(オナガオタマボヤ)等のハウスであることが明らかになり,これらの季節的および地理的出現と幼生の食性との関係が明らかにされた. 当初に計画した研究目的,すなわち(1)レプトケファルス幼生の消化管内容物の同定とその季節的変化および(2)幼生の食性の地理的変異の検討についてはほぼ満足できる成果を得た.(3)幼生の水槽内飼育と摂餌行動の観察につては秋季に延岡湾で採集されたウルボ属幼生を用いて行ったが,個体数が少なくデータとして不十分であるので,4月から5月に多量に出現するマアナゴ幼生を用いて当初の計画を達成する予定である.
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