1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660216
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
青木 宙 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00051805)
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Keywords | αグロビン / βグロビン / コイ / 遺伝子構造 / 遺伝子上流領域 |
Research Abstract |
コイからクローン化したαグロビン遺伝子とβグロビン遺伝子は同一のDNA断片上に隣接し、それらは互いの上流領域を向き合わせて存在していることがわかった。αグロビン遺伝子とβグロビン遺伝子の開始コドン間の塩基数は約900塩基で、向かい合ったαグロビン遺伝子とβグロビン遺伝子それぞれのセンス鎖は互いのアンチセンス鎖であった。両遺伝子ともに基本的なプロモーター領域であるTATA boxおよびCAAT box様の配列が存在し、αおよびβグロビン遺伝子のCAAT box様配列に挟まれた領域は塩基AおよびTに富んでいた。さらに、これらのクローンとは別に単離していた他の7種類のグロビン遺伝子クローンにおいても、サザーンブロット解析およびPCR法による解析によりαグロビン遺伝子とグロビン遺伝子が約900塩基の距離で上流領域を向かい合わて隣接していることがわかった。 PCR法による解析により、種々のコイ(カガミゴイ、スワヤマトゴイ、ドイツゴイ、サクヤマトゴイ、ヤセイゴイ)のゲノム上においても、αグロビン遺伝子とβグロビン遺伝子は約900塩基の距離で上流領域を向かい合わせた位置関係でコードされていることが明らかとなった。以上のことからコイではαグロビン遺伝子とβグロビン遺伝子が約900塩基の間隔で互いに逆向きにコードされて一組となり、これがゲノム上に複数個で連座してクラスターを形成していることが明らかとなった。
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[Publications] Jin,Deuk-Hee: "Cloning and the nucleotide sequence of carp a-globin gene." Fisheries Science. 60. 303-306 (1994)
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[Publications] Miyata,Masato: "Analysis of carp α-globin gene family of carp.ll.α-globin gene No.1 and No.5 include repetive palindromic sequence." Fisheries Science. 60. 399-404 (1994)
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[Publications] Jin,Deuk-Hee: "The symmetrical arrangement of carp a-and b-globin genes." Fisheries Science. 61. 49-52 (1995)