1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660222
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
室伏 誠 日本大学短期大学部, 教授 (10095515)
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Keywords | 甲殻類 / エビ類 / 染色体 / 細胞培養 / 組織培養 / 核型 / 核型進化 / 種分化 |
Research Abstract |
本年度の研究課題では、諸外国産の大型エビ類を中心に、染色体解析を行った。すなわち、米国ハワイ産イセエビ(P.marginatus)、インドネシア産イセエビ2種(P.homarus,P.longipes)、ニユ-ジーランド産イセエビ(Jasus edwardsii)、および西アフリカ産イセエビ(J.lalandii)の、計6種である。各エビ類の染色体数はそれぞれ2n=118、150、110、142、136で、核型はそれぞれ88M+14SM+16A、64M+20SM+34ST+32A、38M+16SM+8ST+48A、50M+36SM+4ST+52A、100M+14ST+22Aであった。すでに報告した本邦産イセエビ(2n=112、38M+16SM+16ST+42A)を含め、6種すべての染色体に種特異性が認められた。 世界各水域のイセエビ類の染色体に認められた種特異性から、染色体構造変異に基づく分化の道筋を解析した。各エビ類の染色体構造比較では、イデオグラムからは、染色体構造の差異を生じる構造変異について解析するとともに、各染色体の全腕長、短腕長、長腕長および腕比の比較により、構成染色体の分布に、種ごとに顕著な差があることが明らかとなった。 さらに、染色体内部の構造比較に有用な分染法について調査を行った結果、本邦産イセエビ染色体のAg-NOR's分染において、3対のM型染色体に濃染部が確認され分染による染色体構成解析の可能性が示唆された。 平成6年度においては、5th International Symposium on Genetics in Aquaculture,“Karyological comparison of spiny lobsters from Pacific Ocean"(1994 6月,Halifax,Canada)、平成6年度日本水産学会秋季大会「甲殻類の染色体に関する研究-XV イセエビ類6種の核型比較」(1994、10月、三重県津市)、日本甲殻類学会第32回大会「甲殻類の染色体に関する研究-XVI 大型エビ類の染色体特性」(1994、11月、福岡県福岡市)において、得られた研究成果を発表した。なお、これら知見については、近く関係学会誌に発表の予定である。
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