1994 Fiscal Year Annual Research Report
農場的土地利用推進のための農家間合意形成に関する理論、計量経済学的研究
Project/Area Number |
05660239
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
廣政 幸生 北海道大学, 農学部, 助教授 (00173295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 巧 宮城県農業短期大学, 講師 (40178413)
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Keywords | 農地集積 / 合意形成 / 圃場整備 |
Research Abstract |
1.農場的土地利用推進を図るためには、土地の零細分散錯圃を解消しなければならない。農地の集積、つまり農地の交換分合を進めるためには、基盤整備事業とりわけ圃場整備事業を実施する際に、同時に行うことが望ましいし、事業を円滑に進める上でも非常に有効なこととなる。 2.本年度の研究は、圃場整備事業を実施しようとしている異なった段階の2つ地区に対し実施したアンケート調査結果の解析が中心である。アンケート調査は、圃場整備事業の計画が実施されることが決定し、農地集積にある程度の目途がついた石越町県営圃場整備事業と計画が作成中の岩出山町の2地域である。 3.農家意向調査の解析結果は以下の通りである。(1)拡大意向農家は専業農家が多いが兼業農家にも専業化の動きもある。(2)若い経営主ほど拡大意欲が高く所得目標も高い。(3)委託・縮小農家の大半は兼業農家である。委託農家は多くても受託農家がいないと土地の集積は成り立たない。よって、規模拡大農家の意向は、(4)共同化よりは自己完結型の経営を望んでおり、機械所有も共同利用を望んでいない。(5)若い経営者ほど、集落活性化のための農地転用を是認し、集落づくりに積極的に参加をしていこうとする意欲が見られる。(6)町、農協、改良区の協力体制が活性化を進める上で重要であること。農地の集積は、基本的には、受委託関係や農地売買の当事者の合意に基ずくものであるが、当該地域の全農家のみならず、地域全体を将来をどうするかの明確なビジョンが関係機関にあることが合意形成を促進する上で最重要であることが明確となった。
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