1994 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
05660262
|
|---|
| Research Institution | Iwate University |
|---|
Principal Investigator |
藤井 克己 岩手大学, 農学部, 助教授 (30134513)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中石 克也 茨城大学, 農学部, 助手 (40180236)
|
|---|
| Keywords | 膨潤性粘土 / 懸濁液 / 非ニュートン粘性 / チキソトロピー挙動 / ビンガム降伏値 |
|---|
| Research Abstract |
1.(1)昨年度のモンモリロナイトに加え、今年度は別種の粘土鉱物として、カオリナイトを供試試料に採用した。ここで研究分担者の助言をもとに、物理化学的に安定な懸濁液試料を作成し、定温条件下でコーン・プレート型粘度計により粘性率を測定した。これにより、
(2)粘土懸濁液の粘性率の固相率依存性を高い精度で表わすことが可能になった。その結果、両試料とも〔粘性率〕∝ Exp〔固相率〕の関係をもつことが、実験的にも確かめられ、試料による比例定数の違いについて、理論的な検討が進展した。
(3)さらに粘土鉱物の種類と固相率によらず、懸濁液の粘性率は、著しい「ずり速度依存性」を示し、非ニュートン性のチキソトロピー流動することが定量的に明らかにされた。
(4)つぎに、粘性率測定時の〔速度勾配〕と〔せん断応力〕の関係を実験的に表わし、外挿することにより、ビンガム降伏値(=速度勾配→0におけるせん断応力)の値を推定することに成功した。
2.一方、懸濁液において分散状態にある粘土粒子の重力下での沈降現象を経時的に計測した。実験条件を種々変えて測定することにより、モンモリロナイトの固相率2%以上の条件では、粒子・壁面間摩擦力の影響が決定的に大きいことが立証された。
3.モンモリロナイトについて1.で求められたビンガム降伏値と、2.で得られた粒子・壁面間の摩擦力を比較したところ、これらはオーダー的にもほぼ同じ値を示し、顕著な固相率依存性を有することが確認された。微小なこれらの値を検出し、理論値との定量的な比較・検討を可能にした点で、本研究の意義は大きい。
|
-
[Publications] 藤井克己: "モンモリロナイト懸濁液における粘土粒子の拡散移動" 農業土木学会論文集. 163号. 71-78 (1993)
-
[Publications] Katsumi Fujii: "Mechanical Properties and Microscopic Inter actions in Swelling Clay-Water Systems" Jour.Irrig.Eng.& Rural Planning. 29号. 21-23 (1995)
-
[Publications] Katsumi Nakaishi: "Thixotropic Behaviors of Sodium and Calcium Montmorillonite at Salt Concentrations in the Vicinity of 0.3 N" Clay Science. 8. 349-353 (1992)
-
[Publications] 中石克也: "ニュートン流動域におけるNaモンモリロナイト懸濁液の流動特性" 農業土木学会論文集. 168号. 117-118 (1993)
-
[Publications] 中石克也: "アルカリ状態において塩濃度がNaカオリナイトの凝集に及ぼす影響" 粘土科学. 34. 89-94 (1994)
-
[Publications] 中石克也: "塩濃度がアルカリ状態におけるカオリナイト・水系の塑性粘度に及ぼす影響" 農業土木学会論文集. 174号. 135-136 (1994)
