1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660263
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
広田 純一 岩手大学, 農学部, 助教授 (00173287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 雅美 岩手大学, 農学部, 教授 (20011893)
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Keywords | 土地改良法 / 換地 / 非農用地 / 共同減歩 / 土地利用調整 |
Research Abstract |
土地改良換地による土地利用調整に関する諸課題のうち、1.実質共同減歩による非農用地の捻出、および2.非農用地に対する減歩・費用賦課について、事例調査を行ない、その実態の解明と問題点の整理を行なった。結論は次の通りである。 課題1:(1)現行制度では共同減歩による公共用地等の捻出は認めていないが、現実には実質共同減歩による公共用地等の捻出(表向きは異種目換地等の形を採る)が広範囲に行なわれている。(2)公共用地等の売却代金は、圃場整備事業の農家負担金のほか、補完工事や土地改良施設の維持管理費に充てられ、剰余が出た場合には農家に還付される。(3)実質共同減歩の手法としては、特別減歩と並んで代表者方式による異種目換地が多用される。(4)異種目換地は所有権が早期に確定でき、また用地買収とのタイミングを合わせやすいという利点がある。(5)異種目換地に伴う代表者方式は、代表者となる土地改良区役員の好意・善意に基づく方法であり、本人の金銭的・精神的負担のほか、手続きや土地運用の安全性の面で問題が多い。課題2:(1)圃場整備事業によって非農用地取得者は、土地改良工事による道路・排水路整備、換地による位置の移動・集団化・区画の整形化、農用地区域除外、測量・登記費用の節減等の受益を得ている。(2)非農用地取得者に明らかな受益がある場合には、現行制度の制約を越えて、非農用地への減歩・費用賦課が実施されている。(3)分家住宅用地の取得者に対し、農地並みの減歩と道路・排水路等の工事費および換地事務費が賦課された事例がある。(4)既存宅地の所有者に対しては、受益が明らかでも、事業協力者という理由で減歩・費用賦課はなされない。 来年度は、課題1に関しては、共同減歩方式の適用拡大の可能性について制度的な検討を行ない、課題2に関しては、非農用地への減歩・費用賦課の適否と方法を検討する。
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