1995 Fiscal Year Annual Research Report
コイ科魚類の棲息環境条件を備えた水源・水路施設系の設計に関する研究
Project/Area Number |
05660264
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大久保 博 山形大学, 農学部, 助教授 (80203735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島貫 正一 山形大学, 農学部, 助手 (50170957)
前川 勝朗 山形大学, 農学部, 教授 (40007076)
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Keywords | 釣り場 / 利用圏 / 溶存酸素 / ヘラブナ / 多面的利用 / ため池 / 農業水利施設 |
Research Abstract |
1)施設の最適な配置計画を進めるには利用圏と人々の評価について知ることが必要になる。そこで貯水池の釣り場を例として利用圏の実態と評価内容について把握検討することを目的とした。評価の高い上位9つの釣り場を選定し「A型」「B型」「C型」に3分類することができた。またアンケート結果より釣り場選択理由を「釣果(数)」「釣果(サイズ)」「位置」「自然環境」「整備」の5項目に大別し、それぞれの特徴から「A型」を「居住区近接型」、「C型」を「郊外型」とし、それらの中間的性格と持つ「B型」を「中間型」と特徴付けられることが明らかとなった。「釣果」に関しては聞き取り調査で一日(8時間)平均約三十枚が「数が釣れる」となり、30cm以上が「大型」となった。また「放流」に関しては各釣り場で行われており、自然の生息環境以上に影響が大きいことが判明した。以上より、釣り場の最適配置に際して問題となる評価基準に関しての基本的知見が得られた。 2)藻類が溶存酸素の鉛直方向のプロファイルに与える影響を把握することを目的とした。酸素生成量は両パイプ内での測定値の差で表した。更に鉛直方向の溶存酸素の挙動を把握するために、鉛直一次元モデルを用いてシュミレーション解析を行った。シュミレーションにおいて測定すべきパラメーターは、鉛直方向の渦動拡散係数:KO(cm2/day)、経験定数:μで、パラメーターの評価関数は2乗誤差の和をとった。1日の経時変化では鉛直方向の流動は小さく、また藻類による影響も小さいことが判った。従って長期変化(24日間)のシュミレーションにおいては、藻類の影響を考慮せずに計算を行った。その結果、K=5000、μ=0.005の値を得た。以上より、ため池に藻類は生息しているが、極微量で、鉛直方向の溶存酸素に影響を与えていないことが判った。
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